「涼宮ハルヒの消失」雪の日にSOS団再集結、杉田智和「キョンであり続けないと」
劇場版「涼宮ハルヒの消失」リバイバル公開記念舞台挨拶が、本日2月7日に東京・新宿バルト9で開催され、涼宮ハルヒ役の平野綾、キョン役の杉田智和、長門有希役の茅原実里、朝比奈みくる役の後藤邑子、古泉一樹役の小野大輔が登壇した。
劇中のシーンとリンクするような雪の日の舞台挨拶
2010年2月6日の「涼宮ハルヒの消失」公開時に、舞台挨拶が行われた会場・新宿バルト9で開催されたこの舞台挨拶。まずはこれまでのSOS団の活動の振り返りが行われ、杉田はアニメ放送後に起こったインターネット上でのムーブメントなど、当時の盛り上がりを回想した。そのトークを聞いていた平野はしみじみと「杉田さんだなあ」と笑う。また「(アニメ放送から)20年後にこうやってまた集まれるなんて思ってなかった」と述べ、客席には見覚えのある観客もいると明かした。平野と同じように、杉田のトークでアニメ放送当時の空気を思い出したという後藤は、「あの頃のままの空気でお届けできたら」と微笑む。
茅原もキャストとの再会を喜びつつ「今日、雪が降ったんです!」と、劇中のシーンを想起させるような天気に興奮気味。「『涼宮ハルヒの消失』の試写会が終わって外に出たら雪が降ってたり、テーマ曲『優しい忘却』のジャケット撮影のときに雪が降ったり、大切なタイミングでいつも雪が降ってくれて。今日も朝から降っていて、いい1日になるなって思いました」と、雪との縁を伝える。小野は自身と作品の歩みに思いを巡らせる。「ハルヒが真ん中にいて、SOS団が巻き込まれていくように、僕らも『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品にどんどん巻き込まれていって。でもそのおかげで成長できて、声優として関わってから20年、ここまで来られたな」と話した。
切ない古泉のシーンに小野大輔&平野綾が胸打たれる
お気に入りのシーンを尋ねられた小野は、キョンとハルヒ、古泉がファミレスで会話をし、店を出た後の踏切前のシーンを挙げる。TVシリーズでは古泉の本心がわからなかったということに触れ、「『うらやましいですね』っていうセリフに、自分としても報われた気がした」と語る。「(改変後の世界では)機関やしがらみに囚われず、彼は彼として生きていいんだと思って。ちょっと長門さんに感謝した」と思いを述べ、戻らないでほしいとすら考えたことも明かす。平野も同シーンを選んだそうで、シリーズではいつも大事なシーンで電車が通るのだと指摘する。電車が通過した後の静寂が心にしみたと言い、「普段の日常が戻ってきてしまうと、もうこの古泉には会えないんだなと思ったら、余計寂しくなってしまった」と重ねた。また小野は、終盤の病院での古泉とキョンの会話もお気に入りなのだそう。病院でキョンに伝えたうらやましいという思いは、改変後の世界と同じ思いなのではと考察し、「ことさら軽く言ってて、そのシーンを改めて観たら切ない」と言葉を紡いだ。
後藤は大人バージョンのみくるとキョンとの会話シーンをピックアップ。「いつかこのときを懐かしく思うときがくる」とキョンに伝えるセリフを演じたときは、自身も作品に関わってきた日々はいつか過ぎ去り、その日を懐かしむだろうと考えていたのだとか。「大人のみくるの気持ちと、ちゃんとリンクできてたんじゃないかな」と当時を振り返る。しかし現在でも作品と関わっていることから、「まだ懐かしく思い返す状態ではないってことが、幸せな悲鳴です。だから、このときのみくるの気持ちにまだ私はなってない」と笑顔を見せた。
茅原が選んだのは長門が世界を改変するシーン。このシーンでは長門の表情が映らないが、茅原は「ポーカーフェイスなのか、それとも自分の望む未来に向けて笑ってるのか、もしかしたら泣いてるのか。それはもう見えないからわからない」と長門の思いを想像する。そして観客に想像の余地を与えるところも、「涼宮ハルヒの消失」の魅力だと語った。しんみりとした雰囲気を打ち破るかのように、小野が「どんな顔してると思う? ちょっとやってみる?」と茅原に改変のシーンを再現させようとすると、会場は笑いで包まれる。
「明日過去になった今日のいまが奇跡」を体験する平野綾
平野はアフレコ当時の思いを「『涼宮ハルヒの消失』って、実は私ががんばってるところって本当に少なくて。今までのハルヒがどう動いてきたか、みんなをどう巻き込んできたかによって、ここで結果が出ると思ってお芝居をしていたので、すごく不安だったんです」と吐露。お気に入りのシーンには病院でキョンが寝袋で眠るハルヒの髪や唇に触れる場面を挙げ、「ハルヒが(いることが)日常だと思って、ここに戻ってきてくれたっていうのが、『自分がここにいていいんだ』って思わせてくれたシーンだった」と話す。また七夕のシーンと「冒険でしょでしょ?」の歌詞「明日過去になった今日のいまが奇跡」をリンクさせ「まさにそれを今、作品でも、こうして私たちがいるこの場でも、私はそれを体験している身なんだなって思わせていただいた」と客席に視線を送った。
一方の杉田は、アフレコですべてを出し切ってしまったため「涼宮ハルヒの憂鬱」を観ていなかったと発言。作中のシーンが話題に上がると、アフレコの記憶から物語を思い出せるため、本日時点でもまだ鑑賞していないと打ち明けた。また「涼宮ハルヒの憂鬱」がさまざまな人に影響を与えたことを、自身の経験を交えて伝える。作品がきっかけで声優になった人や、ハルヒが好きすぎて怒りすら覚えている作家がいるとコミカルに語りつつも「みんなの中の印象的なシーンというものが、多大な影響を与えていること自体が印象的」とその影響力を称えた。
杉田智和「キョンであり続けないと」
終盤には、小野が「僕たちが生きている限り、いや、もっと先も、この作品はずっと消失しないで残っていくんだなと改めて思っております」と未来を見据える。さらに「『無敵的ハピネス!』あれ、踊ろうよみんなで」と一同を誘うと、観客は期待の拍手を送った。嫌がるそぶりを見せる杉田に平野が「でも、いつもこっそり自主練してる」と暴露すると、観客はさらに盛り上がる。後藤も困った表情で「思い返せば『ハレ晴レユカイ』を踊るはめになったのも、小野くんがいきなり振り付けを覚えてスタジオで踊り始めたことがきっかけだったんですよ」と訴える。しかし「『京アニフェス』で5人一緒に踊れたから、本当に『ハレ晴レ』踊ってきてよかったって思った」と重ねた。
茅原はキャスト陣やファンとの出会いは長門というキャラクターと出会えたからだと述べ、「本当に一生ともに生きていきたいなって思っている大切なキャラクターと作品です」とコメント。「またこうして集まれる日が来るよね」と茅原がキャスト陣を見ると、一同は頷いた。平野も「きっとこの作品は、私たちのライフワークみたいに、一生関わらせていただける作品なんだなと信じています」と挨拶。最後に杉田は制作スタッフの豪華さに触れ、「これだけのすごい人たちが、とてつもないものを作っていて、それを未来に伝えていきたいなって。だったら、自分がキョンであり続けないと」と語り出す。そして「(作品を)ずっと語り継いでいかないとなって。願うまでもなく、体が動いています」と続け、イベントを締めくくった。
劇場版「涼宮ハルヒの消失」リバイバル上映
2026年2月6日(金)より2週間限定で全国上映
