「シャフト50周年展」明日開幕 「月詠」OP、「化物語」1話アバンのコンテもずらり展示

「シャフト50周年展」より「〈物語〉シリーズ」の展示エリア

シャフト設立50周年を記念したイベント「シャフト50周年展」が、明日12月27日より東京・Mixalive TOKYOで開催される。

「シャフト50周年展」では未公開の原画や設定資料を計1000点以上展示。「まほろまてぃっく」「月詠 -MOON PHASE-」「ぱにぽにだっしゅ!」「ひだまりスケッチ」「〈物語〉シリーズ」「魔法少女まどか☆マギカ」「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」の7作品は、12月27日から2026年1月6日までの前期と、1月8日から18日までの後期で、展示の一部が入れ替えられる。本記事では、イベント開催に先がけて行われた内覧会の様子をお伝えする。

イベントではシャフト50年の歩みを「守」「破」「離」の3つの時代に分けて展示。スタジオ設立から、スタジオの総合力を高め元請けへと踏み出すための地盤を築いていった「守-礎の時代-」の展示では、1975年にセルワークで携わった「まんが日本昔ばなし」からの歩みが年表で紹介されている。シャフト初の自社企画TVシリーズ「十二戦支爆烈エトレンジャー」の貴重な資料も一緒に並べられている。

続く「破-開花の時代-」の展示では、現社長である久保田光俊氏が制作部長に就任し、元請け作品への挑戦が本格化してきた時代の作品をピックアップ。のちに「魔法少女まどか☆マギカ」「化物語」などの代表作で監督を務めた新房昭之と、シャフトが初めてタッグを組んだ「月詠 -MOON PHASE-」のパネルでは、繰り返される「ネコミミモード」という歌詞や演出が話題を呼んだオープニング映像とそのコンテを合わせて楽しめる。

さらに「ぱにぽにだっしゅ!」「ひだまりスケッチ」「さよなら絶望先生」「ef – a tale of memories.」などのパネルでは、大沼心、尾石達也、武内宣之らシャフトの作風を築いていったクリエイターが新房監督から受けた言葉や、作品への思いを綴ったコメントが各所にあり、懐かしの作品がより楽しくなる仕掛けもちりばめられた。また2013年に亡くなった中村隆太郎監督が手がけた「劇場版 キノの旅 the Beautiful World 病気の国―For You―」「REC」の展示には、久保田社長が「思い入れが深い」と語る中村監督との思い出を綴ったコメントが展示されている。作品テンポの速いカット割り、奇抜なオープニング、エンディングなどシャフトの演出技法が垣間見える資料の数々にも注目してみては。

そして「破」のパート後半では、ここまでの展示作品で培った自由な演出表現への挑戦が代表作として結実した、「魔法少女まどか☆マギカ」「〈物語〉シリーズ」の展示を大きなスペースで展開。「魔法少女まどか☆マギカ」の展示は場面カットや、設定が固まる前の蒼樹うめによるキャラクター原案第2稿といった作品資料がところ狭しと並ぶ、視覚的にも楽しめるエリアに。

2009年にスタートし、未だにシリーズが続く「〈物語〉シリーズ」のエリアは、原作の装丁を思わせる真っ赤な壁に並んだ数々のビジュアルが来場者を迎える。「化物語」がどんなアニメかというスタッフの思いを詰め込んだという第1話のアバンタイトルの展示では、スタッフのコメント、そして90秒のシーンとは思えない長さのコンテをまるっと楽しめる。暦やヒロインにスポットを当てたエリアを抜けると、その先では神谷浩史と坂本真綾が朗読する西尾維新の書き下ろし短々編「こよみフィフティース」を上映。「文字を意識させる」という「〈物語〉シリーズ」の演出が現れたその内容は会場で確認してほしい。

階を移動した先にあるのが「離-躍動の時代-」の展示。その会場へ向かう道中の階段には「まほろまてぃっく」から「忍者と殺し屋のふたりぐらし」まで歴代シャフト作品のポスターが移動中の来場者を楽しませてくれる。一部にはサインも入っているので、足を止めてじっくりと確認してみては。「離」のパートではこれまで培ってきた技術・感性を力に次代へと進むシャフトの歩みを紹介。初期のシャフトを支え監督となった「忍者と殺し屋のふたりぐらし」の宮本幸裕ら新たなクリエイターたちと作り上げた10作や、CMなどアニメシリーズ以外の仕事も触れられた。「忍者と殺し屋のふたりぐらし」「ヴァージン・パンク Clockwork Girl」の原撮・本撮比較映像、「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」特報の原画タイムラプスといった映像展示にも力が入れられている。

会場の最後を締めくくるのもアニメーションスタジオらしく映像展示。シャフトの止まらない歩みを映像でも感じてほしい。

「シャフト50周年展」

前期日程:2025年12月27日(土)~2026年1月6日(火)
後期日程:2026年1月8日(木)~18日(日)
※1月1日(木)、7日(水)は休館日
時間:11:00~21:00(最終入館20:00)
場所:東京都 Mixalive TOKYO

展示作品

  • 「まほろまてぃっく」(2001年)
  • 「ぽぽたん」(2003年)
  • 「月詠 -MOON PHASE-」(2004年)
  • 「ぱにぽにだっしゅ!」(2005年)
  • 「REC」(2006年)
  • 「ネギま!?」(2006年)
  • 「ひだまりスケッチ」(2007年)
  • 「劇場版 キノの旅 the Beautiful World 病気の国 -For You-」(2007年)
  • 「さよなら絶望先生」(2007年)
  • 「【俗・】さよなら絶望先生」(2008年)
  • 「【懺・】さよなら絶望先生」(2009年)
  • 「ef – a tale of memories.」(2007年)
  • 「まりあ†ほりっく」(2009年)
  • 「夏のあらし!」(2009年)
  • 「〈物語〉シリーズ」(2009年)
  • 「荒川アンダーザブリッジ」(2010年)
  • 「魔法少女まどか☆マギカ」(2011年)
  • 「ニセコイ」(2014年)
  • 「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」(2016年)
  • 「3月のライオン」(2016年)
  • 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(2017年)
  • 「Fate/EXTRA Last Encore」(2018年)
  • 「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」(2020年)
  • 「アサルトリリィ BOUQUET」(2020年)
  • 「美少年探偵団」(2021年)
  • 「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」(2022年)
  • 「ヴァージン・パンク Clockwork Girl」(2025年)
  • 「忍者と殺し屋のふたりぐらし」(2025年)
  • 「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」(2026年)

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