「第4回新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)」が、2026年2月20日から25日の6日間、新潟県新潟市で開催される。本日12月19日には記者会見が行われ、第4回からの新たな運営体制についてや、大川博賞・蕗谷虹児賞の受賞者が伝えられた。
長編アニメーション映画祭として2023年にスタートした「新潟国際アニメーション映画祭」。創設者であるユーロスペース代表だった映画プロデューサーの堀越謙三氏が死去したこと、また初期運営チームが「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」に活動を移行したことに伴い、第4回は新体制で運営される。実行委員長に開志専門職大学アニメ・マンガ学部学部長の成田兵衛氏、プログラムディレクターにユーロスペース代表の北條誠人氏、映画監督でサニーレイン代表取締役の梨本諦嗚、新潟アニメーション代表取締役の内田昌幸氏、ジェネラルアドバイザーにニューディアー代表取締役の土居伸彰氏が名を連ねた。“民・産・官・学”が四身一体となった体制により、「これからの才能の発掘と育成」を最大のミッションに掲げ、コンペティション部門の刷新、地域連携の深化、国際的な人材育成の3点を強化・推進していく。
映画祭の軸になるコンペティション部門の審査員も決定。審査長はインディーズアニメーションスタジオ・Rocketsheep創設者のアヴィッド・リオンゴレン氏が担い、欧州文化機関連合(EUNIC Japan)会長のホセ・ハビエル・フェルナンデス・ディアス氏、「PLAN 75」などを手がける早川千絵監督が審査員を務める。コンペティション部門は40分以上の「長編部門」のほか、15分以上40分未満の「Indie Box部門」を新設。新人賞「ゼングレヒトシュターター(Senkrechtstarter)」も用意される。
アニメーションのトレンドを国内外の作品で紹介する「世界の潮流」部門では「実写とアニメーション」をテーマに、実写とアニメの交差する作品や、実写監督によるアニメ作品をフィーチャー。レトロスペクティブ部門では第4回・第5回にわたり、手塚治虫作品特集を展開する。また若手人材の招聘・育成プログラム「新潟アニメーションキャンプ」の参加者も募集している。
制作スタジオを対象とした大川博賞は、「ひゃくえむ。」の岩井澤健治監督率いるロックンロール・マウンテンが受賞。スタッフを対象とした蕗谷虹児賞は、「ChaO」「ホウセンカ」などで作画を手がけたアニメーター・伊藤秀次に贈られた。
成田兵衛(第4回NIAFF実行委員会実行委員長 / 開志専門職大学アニメ・マンガ学部学部長)コメント
創設者の堀越さんは同じ大学の学部長を務められていたため常日頃から話す機会があり、映画祭の話をずっと聞いておりました。今回私が実行委員長になるにあたり、その気持ちを預かる立場として、教育や育成をより強く押し出していきたいと思っています。教育者として新潟全体の教職員の方々、学生方、色々な思いも全部背負って、新潟の皆さんと一体となって第4回を盛り上げていきたいと思っております。
北條誠人(一社 新潟国際アニメーション映画祭代表理事 / 実行副委員長/有限会社ユーロスペース代表)コメント
本映画祭は、商業規模や既存の枠組みに囚われず、独自のアニメーション表現を追求する作家たちを世界中から紹介していきます。私はミニシアターで、主にヨーロッパ、日本のインディペンデント、ドキュメンタリー作品の上映プログラムを組んでおりますが、アニメーションについては詳しいわけではなく、堀越さんが亡くなられて代表を引き継ぐ立場として本映画祭に関わる形になりました。映画祭の仕事を始めて何回か経ちますが、ミニシアターの番組の作り方と、映画祭の上映作品の選び方に一切差はないと思います。そこで表現されているものの力強さ、あるいは新しさを突き詰めていく。そのようにして、新しく参加させていただきたいと思っております。
内田昌幸(理事・実行委員会事務局長 / 株式会社新潟アニメーション代表)コメント
前職は日本アニメ・マンガ専門学校というアニメーター、漫画家、イラストレーター、ゲームクリエーターを育成する学校責任者をしており、育てて送る側から、今は受け取る側で仕事をしています。本映画祭の第1回から国内外で注目・評価いただいてる「新潟アニメーションキャンプ」。この育成プログラムをさらに強固なものにして、新潟から新しい才能を発掘・発見しそれを育て世界へ送り出していく。その方々が育ってまた新潟に戻るという循環を目指し、運営してまいります。
「第4回新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)」
日程:2026年2月20日(金)~25日(水)
会場:新潟市民プラザ、新潟日報メディアシップ日報ホール、新潟・市民映画館シネ・ウインド
プログラム:コンペティション、特集上映、新潟アニメーションキャンプ(若手人材の招待・育成プログラム)、トークイベント、フォーラムディスカッション ほか
実行委員長:成田兵衛
プログラムディレクター:北條誠人、梨本諦嗚、内田昌幸
ジェネラルアドバイザー:土居伸彰
主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
共催:新潟市
企画制作:一般社団法人新潟国際アニメーション映画祭+ユーロスペース
特別協力:新潟県、新潟日報社、開志専門職大学、日本アニメ・マンガ専門学校、新潟県商工会議所連合会
特別協賛:NSGグループ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(国際映画祭支援事業)