瀬下寛之監督、「BLAME!」映画化が決まったときの喜びは「今も言葉にできない」

瀬下寛之監督

弐瓶勉原作による劇場アニメ「BLAME!」が、「第1回 あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」の一環として本日12月14日に上映された。上映前のトークショーには瀬下寛之監督が登壇した。

アニメーション制作をポリゴン・ピクチュアズが手がけ、2017年に公開された「BLAME!」。もともとはTVアニメ「シドニアの騎士 第九惑星戦役」の作中作として、短いアニメを制作したのをきっかけに映画化が決まったという。「そのときの喜びは、今も言語化できないです。『ヒャッホウ!』って感じです(笑)」と瀬下監督は笑顔で振り返り、この日「BLAME!」を観に集まった観客にも「本当にうれしいです。心の底から感謝してます!」と熱く感謝を伝えた。

現在はポリゴン・ピクチュアズを離れ、CGスタジオ・unendの主宰、Studio KADANの代表取締役副社長を務める瀬下監督。退社した理由を「すごく居心地がいいんですよ。みんないい奴で、ずっと部室みたい。その居心地のよさが怖くて、いろんな作品にチャレンジしたいという気持ちで出たんです」と説明する。自分の作品は「ずっと実験を続けている」とも話し、「亜人」と「BLAME!」ではそれぞれ別の実験をしていたというエピソードも話した。

一方でCGアニメーションに関しては「日本でCGってまだ完成してないんです。完成していないうちにAIが出てきちゃって、先に行ってしまうかも」という危機感があると語る。「視聴者の方には“CGっぽい”という謎の認識がある。SNSなどで見ていると『それはCGじゃなくて手描きのデジタル処理だよ』とか、逆にCGなのに気づいてなかったり。つまりCGだろうとなんだろうと、ストーリーが面白くて絵が気持ちよければ、視聴者の皆さんは全部受け入れてくださる。僕はCGが好きでずっと使っていますが、そこまで辿り着いてないんだなっていう反省があります」と課題感も明かした。

「第1回 あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」は12月17日まで愛知県名古屋市内で開催中。細田監督作の特集上映や、各国のクリエイターによるトークセッションやカンファレンス、国内外の作品が参加する長編コンペティションが展開されている。