「少年ハリウッドはもっと夢を見られる」約60分の手描きライブ上映会で新展開

「第26話完全版完成披露上映イベント」の様子。

アニメ「少年ハリウッド」の「第26話完全版完成披露上映イベント」が、去る2月24日と25日の2日間、東京・ハリウッド美容専門学校内ハリウッドホールにて行われた。コミックナタリーでは24日14時の回の様子をレポートする。

2014年と2015年に2期にわたり放送された「少年ハリウッド」は、風見颯、甘木生馬、佐伯希星、富井大樹、舞山春からなるアイドルグループ・少年ハリウッドが、原宿にある劇場「ハリウッド東京」を拠点に日々成長していく姿を描く物語。全編少年ハリウッドのライブ映像が展開される第26話「HOLLY STAGE FOR YOU」は、CGが用いられる昨今では珍しくそのパフォーマンスのすべてが手描きにて制作されている。2016年には、テレビシリーズでは観ることのできなかった第26話の全楽曲を映像化すべく「TVアニメ『少年ハリウッド』第26話を完全版にさせたい!応援プロジェクト」と題したクラウドファンディングが実施され、最終目標金額の5000万円を大きく上回る約6000万円もの支援が集まった。

イベントでは少ハリのライブを前に、ZEN THE HOLLYWOOD 80’sのメンバーが登場。客席を駆け回りながら「永遠never ever」を披露し会場を盛り上げていく。その後「少年ハリウッド」の原作者である橋口いくよ、テッシーこと勅使河原恭一役の新田将司が登壇。「ハロー世界」「エアボーイズ」など、少ハリの楽曲のメドレーをBGMに観客を煽りながら会場のボルテージを上げた。

橋口、新田は集まったファンへ感謝を述べながら、今日を迎えられた喜びを述懐。また会場にはプロデューサーの新宅潔、キャラクターデザインの土屋圭らをはじめとするスタッフが訪れていることが触れられ、会場からは「ありがとう!」という感謝の声と大きな拍手が贈られる。新宅プロデューサーは「放送からだいぶ時間も経っている中でこういったイベントをやっていただけて、本当に皆さんのご協力のおかげでこれまで歩んでこれたと思っております。今まで応援ありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します」と頭を下げ、再び観客から暖かい拍手が贈られた。第26話の総作画枚数はトータルで約3万枚に及ぶことが明かされると、会場からは感嘆の声が上がる。橋口は「こんなに誰かに生かされてもらえるアイドルはいないと思う」としみじみ口にした。

またイベントではマッキーこと甘木生馬の“友達”であり、マッキーに非常に声が似ている柿原徹也からの音声コメントも公開。これまで歌ってきた数々の楽曲を振り返り、今後の展開についても期待を寄せた。続けて第1~25話までを振り返るダイジェスト映像が上映され、いよいよ完成となった第26話「HOLLY STAGE FOR YOU」完全版がお披露目された。

25話分をかけて“アイドル”と向き合ってきた少ハリのメンバーが、12月24日のクリスマスイブにハリウッド東京で行ったライブの様子が映し出される「HOLLY STAGE FOR YOU」。当初は総尺45分を超えることがアナウンスされていたが、完成版はエンドロールを含め約1時間の映像となった。初めて全貌が明らかとなったソロメドレーのコーナーでは、メンバーが登場するたびに大きな歓声が上がり、まさかの衣装で登場したシュンシュンこと舞山春の姿に場内が騒然となる場面も。「きっと、誰も俺たちのことは忘れないよ。じゃあな、ありがとう! そして、メリークリスマス!」というマッキーの挨拶とともにアンコールが終わると、制作スタッフ、クラウドファンディングの支援者の名前が敷き詰められたエンドロールが流れ、会場には拍手が響き渡る。そんな感動的な雰囲気の中、エンドロールの途中から舞山春の陽気なソロ曲「ロッキンクレープ音頭」が流れ出すと再び場内は笑顔に包まれた。

本編の最後には第26話「HOLLY STAGE FOR YOU」完全版が、12月に池袋HUMAXシネマズにて上映されることが発表。再び登壇した橋口、新田は、池袋HUMAXシネマズでの上映は前売りチケットの売り上げにより、最短1週間から2週間、3週間と延長されることを説明する。橋口は「こんなにすごいライブを皆さんで完成させたんだから、『少年ハリウッドってこんなに人気になったんだよ!』って言ってやりたいんですよ。だから(上映)1カ月を目指しませんか!?」と熱く思いを語り、それに応えるように拍手が送り返される。

さらに3月中旬には「少年ハリウッド」とクラウドファンディングサイト・Makuakeの特設サイトがオープンし、「少年ハリウッド応援隊」が発足されることも告知。一定の支援金額達成により、テレビアニメの続きとなる物語「少年ハリウッド HOLLY STAGE FOR 52」の脚本12話が、橋口により書き下ろされることも明かされた。

橋口は「(その後追加で行われたクラウドファンディングもあわせ)7695万9820円、これが皆さんが少年ハリウッドにくださった命のエネルギーです。通常、運営や経営者としてはプロモーション費を残したりいろんな形を取るべきなんでしょうが、やっぱり『見たい』『会いたい』と言ってくださった皆様に、一番カッコいい彼らを見せることが誠意だと思ったので、本当に1円残らず彼らの血肉として使わせていただきました」と振り返る。

そして「この結果を一緒に導くことができた皆さんとなら、少ハリはもっと夢を見られるんじゃないかと思いました。『このライブが終わったら次はないんですか』とよく聞かれます。私は皆さんと、そして少ハリは皆さんと、もっと大きな無謀な夢を見たいと思います。いつになるかわかりません。それが10年後なのか、20年後なのかもわからない」と続け、「結論から言わせていただくと、また動く彼らの活動記録を目指したいと思います」とアニメ化を目標としていることを宣言。「目指してもいいですか!?」と橋口が観客に問いかけると、会場からは拍手と歓声が上がる。「いろんなハードルがあると思います。それをみんなで乗り越えながら、彼らが動く時間の未来をみんなと一緒に作って、少年ハリウッドと歩んでいきたいなと思います。これから少年ハリウッドのことをどうぞよろしくお願いします」と深々と頭を下げ、「『本当に叶えられるの?』っていう夢を、今回(第26話完全版)はみんなで一緒に叶えられました。次も皆さんと一緒に、皆さんの毎日を彩る夢であればいいなと思います。どうか一緒にがんばっていきましょう!」とメッセージを贈った。

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