「はたらく細胞」佐藤健が永野芽郁に「守り甲斐があった」、Fukaseは人生最速に

左から佐藤健、永野芽郁。

清水茜原作による実写映画「はたらく細胞」のレッドカーペットイベントが東京・東急プラザ銀座で、完成披露試写会が東京・丸の内ピカデリーで、本日12月4日に開催された。イベントにはW主演を務める赤血球役の永野芽郁、白血球(好中球)役の佐藤健に加え、多数のキャストが登壇した。

両イベントには漆崎日胡役の芦田愛菜、漆崎茂役の阿部サダヲ、キラーT細胞役の山本耕史、NK細胞役の仲里依紗、マクロファージ役の松本若菜、新米赤血球役の板垣李光人、先輩赤血球役の加藤諒、武田新役の加藤清史郎、血小板役のマイカ・ピュ、化膿レンサ球菌役の新納慎也、黄色ブドウ球菌役の小沢真珠、謎の異常細胞役を演じるFukase(SEKAI NO OWARI)も参加。キャストとともに、武内英樹監督も登壇した。

華やかなレッドカーペットで彩られた会場にドレスアップしたキャスト陣が入場すると、場内には黄色い歓声が響きわたる。しばしファンとの交流の時間が設けられた後、トークセッションが行われた。12月13日に映画の公開を控えた佐藤は「ワクワクしますね」と笑顔を見せる。久しぶりに阿部と共演した芦田は「すごく安心感があって、親子の絆も描いた部分もあったので、お芝居をたくさん引き出していただきました」とコメント。すると阿部は我が子のように「どうですか。大人になったでしょう」と得意気な様子を見せ、笑いを誘った。

今作で激しいアクションにも挑んだ山本と仲。映像を観た感想を山本は「体の中と外とでこんなに(世界観が)違うんだなと思って。同時に違う映画を観ているような、そんな感覚」と伝える。山本と仲のアクションシーンを佐藤が「悟空とベジータを見ている感じ」と表現すると、会場は笑い声で包まれた。白血球のアクションシーンについては永野が「私が何をしていても、(佐藤)健さんが演じる白血球さんが守ってくれるので、守られるっていいなって思いました」と佐藤に視線を送る。永野の視線に少し照れたような表情を見せつつ、佐藤は「守り甲斐がありました」と答えた。

派手な特殊メイクが特徴の役どころを演じた新納と小沢は、メイクや衣装の準備に3時間ほど費やして撮影に挑んだことを明かす。新納は自由に演じていいと言われ、撮影当初は激しく演じすぎたそうで「(監督に)『ちょっと抑えてください』って。それぐらい自由に楽しくやらせていただきました」とテンションの高い演技をアピール。小沢も「今まで悪役はたくさんやらせていただいたんですけど、菌は初めてでしたので。こんなに菌ってテンション必要なんだ」とハイテンションで演じた黄色ブドウ球菌役を振り返った。

謎の異常細胞のアクションシーンについて話題が移ると、「僕、けっこう普段のろのろしてて……」と話し始めるFukase。ゆっくりとした口調で「人生のうちで一番速く動きました。人生史上最速です」とスピード感を伝えた。白血球として謎の異常細胞と戦った佐藤は、「めちゃくちゃ速く動いてましたよ。強敵でした」とその戦いを讃える。そしてFukaseと目が合った佐藤が「照れてんの?」とFukaseを茶化し、Fukaseが顔を背けながら「照れてねえよ」と笑う一幕も繰り広げられた。和気藹々とした空気の中、イベントの幕引きの時間が近づく。佐藤が「笑って、泣けて、ためになる。そして、観終わった後に少しだけ、昨日よりも自分の体のことを愛おしく思える、大切に思えるような映画です」と締めくくり、レッドカーペットイベントは終了した。

会場を変えて行われた完成披露試写会では、はじめに武内監督が「このすばらしい原作を作ってくださった清水茜先生に、この映画を撮らせてもらってありがとうございますという感謝の気持ちを伝えたい」と挨拶した。続いて映画のポイントを尋ねられた松本は「この作品を通して、皆様の実際の体がさらに愛おしくなるんじゃないかなと思っております」と客席を見渡す。今作に携わって、初めて人間ドッグに行ったと明かすのは板垣。「今一度自分とも向き合えるし、誰かのことも大切に思えるような映画」と語った。

佐藤は撮影時、花粉症の症状に悩まされていたそう。「鼻をかむたびに白が剥げるんですよ」と、メイクが落ちてしまったエピソードを披露すると、それを聞いていたマイカは無邪気に笑う。そんなマイカに佐藤が優しく「白血球面白かったよね、白くて」と声をかけると、マイカは「すごく面白かったです」とかわいらしく答えた。芦田と加藤清史郎が印象に残ったのは、水族館デートのシーン。2人はシャチに大量の水をかけられたそうで、加藤清史郎は「思った以上にビショビショで、終わった後は服が絞れるくらい」と振り返る。芦田は笑いながら「本当に楽しくて。そのときはドーパミンが全開だったと思う」と顔をほころばせた。

楽し気なエピソードが飛び出す中、「けっこう1人で我慢してるシーンが長かった」と阿部は複雑な表情。そして観客に「皆さん、おトイレ済ませました?」と、茂と同様に我慢をしていないか尋ねつつ「ギリギリになっても、意外と細胞とか、筋肉が助けてくれるんで」と冗談めかして語りかける。それに対し、板垣は「本当に大変だったんです。せき止めてるの」と過酷な撮影の様子を伝えながら猛抗議。加藤諒も「こんなにがんばってるんだっていうくらい挟まれました。筋肉に」と続き、「不摂生って、こんなに細胞をいじめてしまうんだなって思うくらい、いろんな目に遭いました」と撮影を振り返りつつ細胞に思いを寄せた。

アメリカ・サンディエゴで開催された「第25回サンディエゴ・アジアン映画祭」でのワールドプレミアの様子を聞かれた武内監督は、「みんなもうゲラゲラ笑って、最後泣いていたので、本当に国境がない映画なんだなって思いました。体の中って全世界、人類も同じ構造になってるんで」と手応えを伝える。ちなみに武内監督が注目してほしいポイントは、あるシーンで登場する巨大なトウモロコシの粒。約70万円の費用をかけ、こだわって制作したそうで、「トウモロコシ出てきたら、ちょっと気にして見ていただけると」と自信たっぷりに存在を強調した。レッドカーペットイベントから続いた舞台挨拶の最後には、永野が「体は世界共通なものだと思っています。皆さんが自分の体を大切にしながら、年末年始を過ごしてくれたらなと思います」と挨拶した。

映画「はたらく細胞」

2024年12月13日(金)公開

スタッフ

原作:清水茜「はたらく細胞」(講談社「月刊少年シリウス」所載)、原田重光初嘉屋一生清水茜「はたらく細胞BLACK」(講談社「モーニング」所載)
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
製作:映画「はたらく細胞」製作委員会
制作プロダクション:ツインズジャパン
配給:ワーナー・ブラザース映画

キャスト

赤血球:永野芽郁
白血球:佐藤健
漆崎日胡:芦田愛菜
キラーT細胞:山本耕史
NK細胞:仲里依紗
マクロファージ:松本若菜
ヘルパーT細胞:染谷将太
新米赤血球:板垣李光人
先輩赤血球:加藤諒
武田新:加藤清史郎
血小板:マイカ・ピュ
肝細胞:深田恭子
肺炎球菌:片岡愛之助
化膿レンサ球菌:新納慎也
黄色ブドウ球菌:小沢真珠
?????:Fukase(SEKAI NO OWARI)
漆崎茂:阿部サダヲ
好中球先生:塚本高史
外肛門括約筋:一ノ瀬ワタル
神経細胞:DJ KOO

(c)清水茜/講談社 (c)原田重光初嘉屋一生清水茜/講談社 (c)2024映画「はたらく細胞」製作委員会