荒木飛呂彦が悪役の作り方について解説する書籍「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」が、本日11月15日に発売された。
「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」では、マンガをヒットさせるために欠かせないポイントの1つである“悪役”に着目。荒木作品に登場する悪役たちの魅力とリアリティはどのように生まれたのか、荒木の「企業秘密」を掘り下げる。第1章ではマンガの“基本四大構造”を復習、深掘りする内容を展開。第2章には悪役の作り方の基本として、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの歴代敵キャラについてのコラム、岸辺露伴の担当編集者・泉京香の作り方などが掲載される。第3章はマンガの王道を歩み続けるために必要なこと、番外編は「The JOJOLands」第1話とコマ割りについての解説を収録した。
荒木はこれまでにも「荒木飛呂彦の漫画術」を執筆し、同書は2015年4月の発売以降世界の16の国と地域で翻訳刊行されてきた。「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」は、前著の刊行から約10年を経た荒木が「荒木飛呂彦の漫画術」を読んでマンガ家になった人もいるとするならば、「もうちょっと深い話も伝えておかなければならないのではないか」と考えたことから執筆が始まったのだそう。集英社新書の公式YouTubeでは、荒木からのメッセージを収めた動画も公開されている。
「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」の「はじめに」より
「漫画術」が世に出てから10年が経ち、もしかしたら「漫画術」を読んで、本当にプロの漫画家になった人がいるかもしれない。
そう想像したとき、「待てよ……」と思いました。どんなハウツーもそうだと思いますが、「こうすれば~できる」という知識を得ることはできても、それを実行に移せるかどうかは、また別の話です。もし『漫画術』に書いてあることを理解し、それを自分の血肉としてデビューした人がいるのであれば、本当にすごいことだと思います。しかし、そんな才能あふれる新人漫画家が、この先、何かで道に迷い、「黄金の道」を外れて違う方向に行ったまま帰ってこられなくなったとしたら、それは漫画界にとって大きな損失です。「やっぱり、もうちょっと深い話も伝えておかなければいけないのではないか」という気がしてきて、今回の「新・漫画術」を書くことになりました。