ほったゆみ・小畑健原作による舞台「歌絵巻『ヒカルの碁』序の一手」が、本日7月5日に開幕。初演に先がけ、公開ゲネプロが実施された。
「ヒカルの碁」は天才囲碁棋士の霊・藤原佐為に取り憑かれた少年・進藤ヒカルが、囲碁の世界へと足を踏み入れ、「神の一手」を極めようとするさまを描く成長譚。舞台はヒカルが、囲碁に並々ならぬ思いを抱いた佐為と出会い、佐為を碁会所に連れていくところから始まる。そこで幼い頃から囲碁の教育を受けてきたエリート・塔矢アキラと遭遇し、ヒカルは佐為とともにアキラと対局することに。なおヒカル役は糸川耀士郎、佐為役は小南光司、塔矢アキラ役は赤澤燈が演じている。
円形の台に乗った碁盤を挟み、手を打ちおろしながら碁を打つヒカルとアキラ、ヒカルにアドバイスをしながら彼らを見守る佐為。対局シーンでは碁盤の上の模様を正面のスクリーンに映し出すことでリアルさを演出、さらにそれぞれの心情を歌に乗せて魅せていく。佐為に立ち向うアキラと、彼に応戦しようとする佐為の様子は、刀を取り出し切り合うことで華麗に表現された。この対局を経て、アキラの囲碁への情熱と真剣さに心打たれ、どんどん囲碁にのめり込んでいくヒカル。またアキラは初心者のヒカルに負け苦悩し、ヒカルに勝つことを誓う。そんな2人の繊細な心の動きを糸川、赤澤がそれぞれ見事に演じ切った。
舞台ではアキラに続くべく、ヒカルがプロ囲碁棋士を目指し、院生になろうとするまでのストーリーを展開。ヒカルが碁盤には9つの星があると言い、打つ人を宇宙を創造する神様に例えるシーンでは、プラネタリウムのような映像とともに、糸川と小南が息の合ったハーモニーを聴かせる。またヒカルが院生試験を受けることを決断し、自身が所属する中学の囲碁部を辞める際、部員の加賀、筒井、三谷と一局打つことになる場面では、糸川、真野拓実演じる加賀、北出流星演じる三谷、岩佐祐樹演じる筒井が、歌唱とダンスで感情をぶつけ合い、観る者の目を釘付けにした。
劇中での歌唱シーンと和田俊輔が手がけた楽曲は、ほぼ生演奏で披露。さまざまなシーンがマリンバ、ジャンベ、アルトサックス、フルートなどの音色とともに、臨場感たっぷりに味わえる。
7月5日から14日まで東京・サンシャイン劇場にて上演される「歌絵巻『ヒカルの碁』序の一手」。チケットはチケットぴあで取り扱い中だ。7月14日17時の公演は、PIA LIVE STREAMで生配信およびアーカイブ配信が行われる。
「歌絵巻『ヒカルの碁』序の一手」
日程:2024年7月5日(金)~7月14日(日)
会場:東京都 サンシャイン劇場
スタッフ
原作:小畑健、ほったゆみ「ヒカルの碁」(集英社)
脚本・演出・作詞:毛利亘宏
振付・ステージング:本山新之助
音楽:和田俊輔
美術:秋山光洋
キャスト
進藤ヒカル:糸川耀士郎
藤原佐為:小南光司
塔矢アキラ:赤澤燈
加賀鉄男:真野拓実
三谷祐輝:北出流星
藤崎あかり:生田輝
筒井公宏:岩佐祐樹
岸本薫:松永有紘
和谷義高:石渡真修
尹:益永拓弥
緒方精次:北村健人
塔矢行洋:広瀬彰勇
(c)ほったゆみ・小畑健/集英社 (c)歌絵巻「ヒカルの碁」製作委員会