「DEVILMAN」夜通しのサバトイベント、永井豪からの言葉を湯浅政明が披露

湯浅政明監督

永井豪「デビルマン」を原作としたNetflixオリジナルアニメ「DEVILMAN crybaby」のオールナイトイベントが、去る12月28日の夜から29日の早朝にかけて東京・クラブWOMBにて開催された。

「DEVILMAN crybaby」が2018年1月5日より全世界で同時配信されることを記念して行われた本イベント。1部には本作の監督を務める湯浅政明が登場し、「2カ月前に全話完成しています」と報告した。また「テレビアニメだったら感想を聞きながら作っていけますが、今回は違いました。なのでスタッフのみんなが感想を欲しています」と観客に呼びかける。これから上映される第1話については「面白いに決まっています」という自信たっぷりな言葉を残し一旦ステージを去った。

「DEVILMAN crybaby」第1話の上映後、会場には大きな拍手が響き渡る。再びステージに上がった湯浅監督は「まだまだ序の口です。どんどん面白くなっていきます」と笑顔でアピール。心を閉ざした少年と人魚の少女との交流を描いた「夜明け告げるルーのうた」とのギャップをMCから指摘されると、「(『DEVILMAN crybaby』は)ソフト路線を目指していたんですけど」とジョークを飛ばしつつ、「びっくりする方もいらっしゃるかもしれませんね」と苦笑いする。

ここで永井の「デビルマン」について、「やれと言われたら絶対にやりたい原作だった」とアニメ化に対する熱い思いを吐露。「自分が原作を読んだときの感触を出したいと思っていました」と明かし、永井が作品を観たことに触れ「『いろいろ変わってるけど原作の根底にあるものを捉えてくれている。うれしい』と言っていただけた」と喜ばしげに語った。

湯浅は「DEVILMAN crybaby」が、「最終的には愛の話になる」と言う。演出について「最初からNetflixで、バイオレンスとかレイティングを心配しなくても大丈夫と言われていました。そしてバイオレンスがないと人間の根源的なものを描けないと考えていました」と述べつつ、「女性をいやらしい目で見るなら、男もいやらしい視線で捉えて平等にしなくてはと意識してました。嫌なものはいいけど気持ち悪くなるのは駄目と思っていた」とエロティックな描写に対しても触れた。

1部にはヒップホップMCで、「DEVILMAN crybaby」にワム役で出演しているKEN THE 390も登壇。劇中のラップのセリフやトラックも手がけたKEN THE 390は、「ビート感などはお任せしてもらえて、こんなに自由なお願いはなかった。自分のクリエイティビティを出せてやりやすかった」と振り返る。それを受け湯浅は「尺を明確に決めなくて大丈夫」とテレビアニメとの違いを語り、「ラップの部分のみ画を作らずにおいて、曲をもらってから作れた」と配信作品だからこそ可能だった制作手順に言及した。

第2部ではKEN THE 390や劇伴を手がけた牛尾憲輔(agraph)、主題歌「MAN HUMAN」を担当した石野卓球(電気グルーヴ)、AFRA、YOUNG DAIS、般若、☆Taku Takahashi(m-flo)のライブイベントを実施。劇中で描かれる悪魔を呼び出すためのパーティ“サバト”をイメージした小道具や光の演出とともに観客を魅了した。

原作の「デビルマン」は、1972年に週刊少年マガジン(講談社)にて連載スタート。テレビアニメ版も同じく1972年より放映され、その後OVA化や実写映画化など数多くのメディアミックス展開が行われた。「DEVILMAN crybaby」は悪魔の力と人間の心を持つデビルマンに変身し、人類を守るため戦う不動明の姿を追った物語。アニメはNetflixにて、2018年1月5日に配信スタートする。