ヤマシタトモコの全編語り下ろしインタビュー本「ほんとうのことは誰にも言いたくない」が、6月26日にフィルムアート社から発売される。
商業デビュー作「くいもの処 明楽」から実写映画の公開を控える「違国日記」まで、ヤマシタが自身の全単行本を振り返る同書。幼少期や学生時代、同人活動していた頃や、雑誌への投稿を行っていたデビュー前夜などについても語られる。20時間以上におよぶ取材では、社会に向ける眼差しや物語の核にある思い、作り手としての姿勢も浮き彫りに。また影響を受けた作家と作品、自身の作品の発想源となった音楽、そして「違国日記」完結後のことも述べられている。聞き手はBLに造詣が深く、ヤマシタにデビュー単行本刊行時から取材を行ってきた山本文子。装画はヤマシタの描き下ろしで、「違国日記」でもタッグを組んだ川名潤がデザインを担当する。
「ほんとうのことは誰にも言いたくない」
目次(仮)
プロローグ
岸に残る者と夜明けに向かう人──「違国日記」
第1章
家庭内新聞からオリジナル漫画へ──幼少期/小学校時代/中学・高校時代/大学時代
第2章
閉じない世界としてのBL──デビュー前夜/「くいもの処 明楽」/「タッチ・ミー・アゲイン」/「恋の心に黒い羽」/「イルミナシオン」
第3章
BLからこぼれ落ちるもの──「恋の話がしたい」/「薔薇の瞳は爆弾」/「ジュテーム、カフェ・ノワール」/「YES IT’S ME」
第4章
転んでも立ち上がる少女たち──「MO’SOME STING」/「ドントクライ、ガール♥」/「BUTTER!!!」/「サタニック・スイート」/「ひばりの朝」/「運命の女の子」
第5章
女性を取り囲むもの──「Love, Hate, Love.」/「HER」/「ミラーボール・フラッシング・マジック」/「花井沢町公民館便り」/「WHITE NOTE PAD」
第6章
エッセイ漫画の難しさとBLでの挑戦──「裸で外には出られない」/「くうのむところにたべるとこ」/「ストロボスコープ」/「スニップ,スネイル&ドッグテイル」
第7章
恋愛的な愛に限定されないBL──「さんかく窓の外側は夜」
第8章
規範を超えた連帯のあり方──「違国日記」
エピローグ
変わらないテーマとぼーっとする才能──これまでのこと/これからのこと