宮崎駿が監督を務めたアニメ映画「君たちはどう生きるか」が第47回日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞を受賞。本日3月8日に、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた授賞式で発表された。
授賞式にはスタジオジブリ執行役員の野中晋輔氏が出席。野中氏は「最優秀アニメーション作品に選んでいただき、誠にありがとうございます。『君たちはどう生きるか』は宮崎監督の前作『風立ちぬ』公開のちょうど10年後に完成しました。一度は引退を決意した宮崎監督なんですけど、この作品を作りたいという気持ちが徐々に高まってきまして、結局引退を撤回してまで作るということになりました」と制作決定までの経緯を語る。
また野中氏は「鈴木敏夫プロデューサーは、今回は完成時期を決めないで作るということにしました。宮崎監督になるべく自由に作ってほしいという思いだったと思います。宮崎監督も60年間手描きでアニメーションを作ってきたんですが、今回もそれを徹底的に追及してきました。監督自身『終わらない作品じゃないかと思った』と言ってましたが、延々と作り続けて7年かけて完成しました」と制作の裏側を語る。続けて、「その作品がこのように栄誉ある賞をいただけて本当にありがたいと思います。制作を支えてくださったすべての人々、そしてこの映画をご覧くださったすべての皆様に感謝申し上げます」と述べた。青サギ ・ サギ男役で出演した菅田将暉も出席し「キャストを代表して、ありがとうございます」と感謝した。
2023年7月14日に全国公開された「君たちはどう生きるか」は、戦争中の日本を舞台に、母親を火事で亡くした少年・眞人(まひと)が東京から母親の実家がある村に戻ったことから展開される物語。あらすじ、予告映像などの情報を事前に明かさないという異例の方針でも話題を集めた。第81回ゴールデングローブ賞のアニメ映画賞、第51回アニー賞のキャラクターアニメーション賞(長編)と絵コンテ賞(長編)、第77回英国アカデミー賞のアニメーション賞を獲得したほか、日本時間3月11日に発表される第96回アカデミー賞の長編アニメーション映画部門賞にノミネートされている。
なお第47回日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞には映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」、映画「窓ぎわのトットちゃん」、劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」、映画「BLUE GIANT」が選出された。なお上原ひろみが「BLUE GIANT」で最優秀音楽賞を受賞している。