「休日のわるものさん」斉藤広行Pがパンダへのこだわり&アイキャッチの秘密を明かす
「休日のわるものさん放送開始記念 1話~3話振り返り上映会 sponsored by BREATHER(ston s)」の様子。左から小高義規監督、BREATHER社の宮大史氏、斉藤広行プロデューサー。
森川侑原作によるTVアニメ「休日のわるものさん」と、深呼吸習慣化デバイス・ston sのコラボ企画第2弾として、TVアニメ第1話から第3話までの振り返り上映会が、本日2月12日に東京・新文芸坐で開催された。
「休日のわるものさん」は悪の組織の将軍と呼ばれる“わるものさん”が主人公のヒーリングコメディ。作中では、地球侵略を目的にハードな平日を送るわるものさんが、日常の疲れを癒し充実した休日を送る、そんなライフスタイルが取り上げられている。コラボが行われているston sを開発するBREATHERは「頑張る人の、ひと休みをアップデートする」という理念を持つ企業。「休み方改革」を掲げる同社と、わるものさんのライフスタイルが合致したことから「疲れた人の心を癒す」をテーマにコラボに至った。なおコラボ第1弾としてコラボCMも制作されている。
上映後のトークショーには、小高義規監督、斉藤広行プロデューサーが登壇。斉藤プロデューサーは、小高監督の起用については、ヒーローショーを数多く開催している劇場・シアターGロッソに足繁く通う特撮好きという一面を紹介しつつ、「この人ほど休日を大切にしている人はいない」と、わるものさんの気持ちを理解できるという思いから声をかけたことを振り返る。小高監督はアニメ化にあたって「スローライフ的な時間の流れを感じてほしかったので、そこを大切にしました」と原作で描かれる四季など時間の流れに重きをおいていたことを伝えた。
当初アニメでは、わるものさんと地球防衛組織・レンジャーとの戦いも登場させ、オンとオフを描くという構想もあったそう。だが、原作者の森川と話す中で、森川が大切にしているもの、この作品で描きたいものが見えたことから、「季節の移り変わり」「日常のディテール」に重きを置き、「ストレスのない作品にしていこうと方針を改めました」と、方向性を固めていったことを斉藤プロデューサーが説明した。小高監督も「癒やしの作品」だと同意すると、斉藤プロデューサーが「シナリオを作っていく作業が、我々にとっても癒やし、毒抜きだった」と振り返っていた。
わるものさんが大好きな動物で、作中にも数多く登場するパンダについてのエピソードも。アニマルデザインとしてクレジットされている森亜紀子は、アニメのために10種類を超えるパンダの設定画を上げてきたことを斉藤プロデューサーが明かす。森は何度もパンダの観察に出かけ、笹を食べているイメージの多いパンダがリンゴを食べている姿や、笹の太い茎部分を食べている姿を発見。それが、実際にアニメにも登場していることが伝えられた。
わるものさん役で主演を務める浅沼晋太郎のキャスティングには、小高監督の推薦も大きかったことが明かされる。悩みながらオーディションを進める中で、特撮好きの小高監督が特撮ドラマ「機界戦隊ゼンカイジャー」に声で出演していた浅沼の演技を気に入り、幅広い役をこなせる浅沼に決定したそう。現場でも、スタジオに来た段階から「わるものさん役を入れてきてくれる」と小高監督は浅沼の役への向き合い方に感銘を受けたことを伝え、「この話数はこの演技しかないっていうものを持ってきてくれていたり、浅沼さんからわるものさんを作っていってくれたというのがうれしかったです」と笑顔で話した。
さらに斉藤プロデューサーからは浅沼が今後の話数で兼役で重要なキャラクターを演じていることも伝えられる。小高監督も「浅沼さんが率先してやってくださったりしてるので、そこも楽しみにしてほしい」とファンの期待感を高め、斉藤プロデューサーもクレジットはされないキャラクターということもあり「楽しみに探してみてください」とメッセージを送った。
また印象的なキャラクターとして2人が挙げたのは、東山奈央演じるコンビニ店員の山野。小高監督が「親しみやすい」「(コンビニに)いてくれたらうれしい」と褒めると、斉藤プロデューサーも「ああいうキャラクターになるとはアフレコするまで想定していなかった」と東山の演技があって魅力が引き出されたと絶賛した。さらにクレジットはされていないが、東山がノルウェージャンフォレストキャット役、チワワ役も演じていたことが明かされると、会場がどよめいていた。
パンダがたくさん登場するアイキャッチには、斉藤プロデューサーのこだわりが詰め込まれているという。斉藤プロデューサーは、「アイキャッチを円形に切り取って、工作すると、フェナキスティスコープっていうアニメの原型になったおもちゃが完成するんです。“世界初の付録つきアニメ”のつもりで作りました」と、特撮番組の情報が乗っている子供向け雑誌の付録からイメージを膨らませたことを明かす。スクリーンには、アイキャッチを風車状のおもちゃに加工した写真も写し出され、観客を驚かせた。
トークショーの最後では、小高監督が「わるものさんがゲストの人たちと接して心がどう動いていくか観ていただきたい」と観客に語りかける。斉藤プロデューサーは「休日のわるものさん」に、ヒーリングコメディの枠にはまらない幻想的な側面があると感想を伝え、「最後まで見ていただくと、少し不思議な感覚を味わえる。それが森川先生の魅力だと思うので、引き続き最後まで見ていただけるとうれしいです」と締めくくった。
なおイベントではアニメの上映、スタッフトークショーのほかに、浅沼のサイン入りポスターなどプレゼントを用意したクイズ大会、深呼吸とともににカフェイン・GABAを吸引できるston sの体験会、「休日のわるものさん」のデザインがあしらわれたston sの配布なども実施。BREATHERの宮大史氏が「深呼吸」から癒やしを与えるたいという企業の思いや、製品の説明が行われるなど、「休み」繋がりから立ち上がったコラボらしいイベントとなった。