山本二三が死去 「天空の城ラピュタ」美術監督や「天気の子」天井画など務める
「未来少年コナン」「天空の城ラピュタ」など数々のアニメーション作品で美術監督を務めた山本二三が、胃癌のため8月19日に70歳で死去した。山本が代表を務める美術スタジオ・絵映舎の公式サイトにて発表された。
山本の長男であり絵映舎のプロデューサーで、長崎・山本二三美術館の副館長も務める山本鷹生氏は、山本は亡くなる数日前まで自身の故郷である長崎県・五島の民話「勘次ヶ城」のマンガを描き続け、完成まであと1ページを残して約120ページの下書きを描き上げたと明かした。また「今日もアトリエの机には制作中の原稿や資料が散らばっています。空っぽのイスにはまだ二三さんが座っているような気がします」とコメントを寄せている。告別式は8月27日11時から埼玉・広域飯能斎場にて執り行われる。
山本は1953年6月27日生まれ。岐阜県の高校で建築を学んだ後、東京の美術系専門学校に在学中からアニメーションの背景画の仕事を手がけるようになる。1978年にはTVアニメ「未来少年コナン」で自身初の美術監督を務め、「天空の城 ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」といったジブリ作品や「時をかける少女」などの美術監督を担当。2019年には「天気の子」に登場する気象神社の天井画の制作を務める。2010年からはライフワークとして、五島列島の風景を描く「五島百景」に取り組んでいた。山本が描く特徴的で迫力のある雲はファンの間で“二三雲”と呼ばれている。なお、山本が手がけた背景原画など約220点を展示する「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展 ~天空の城ラピュタ、火垂るの墓、もののけ姫、時をかける少女~」が、9月10日まで静岡・浜松市美術館にて開催されている。