堀越耕平原作によるTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」のイベント「おかえり、デク!雄英スペシャルステージ」が、本日8月6日に東京・立川ステージガーデンで開催された。イベントには緑谷出久役の山下大輝、爆豪勝己役の岡本信彦、麗日お茶子役の佐倉綾音、飯田天哉役の石川界人、轟焦凍役の梶裕貴、相澤消太役の諏訪部順一、オールマイト役の三宅健太が登壇。これまでの物語の振り返りトークや生アフレコを披露した。なおイベントは14時からの昼の部と18時からの夜の部の2部構成。本レポートでは昼の部の様子をお伝えする。
イベントは「おかえり、デク!」という会場全体からの呼びかけで開幕。「全面戦争編」を振り返るコーナーではダイジェスト映像が上映され、キャスト陣による思い思いのクロストークが展開される。佐倉はトガとトゥワイスとの関係性について、原作を読んでいるときからこのシーンが来ることが怖かったと明かし、「どこになんの正義があるかわからないことがこの作品の真骨頂」であると述懐。ギガントマキア戦での様子に触れた諏訪部は「1期から生徒たちを見ていて本当に成長を感じる場面でした」と語った。
続いて諏訪部による生アフレココーナーへ。死柄木と対峙するイレイザーヘッドが描かれる第119話が演じられ、死柄木のその圧倒的な強さに絶望したという諏訪部は、別現場で死柄木を演じる内山昂輝を見るたびにビクビクしていたことを明かした。その後オール・フォー・ワン役の大塚明夫からのビデオメッセージが流される。荘厳なBGMとともにオール・フォー・ワンさながらの気迫で7期への期待を語る大塚に対して、山下は「6期で一番憎んでいる相手から挑戦状みたいなメッセージが届いてドキドキした」と話した。
「語れ!地獄の轟一家」コーナーでは梶による生アフレコが披露される。演じたのは焦凍が荼毘もとい燈矢との戦いを決意する第128話、燈矢の過去と向き合ったエンデバーに手を差し伸べる焦凍を描く第130話の2つ。梶は荼毘に起きた幼少期の出来事は誰にでも起こりうるとしたうえで、「人間の生々しさ、醜さをみせられると同時に、自分にないものを周りの人が埋めたり差し出したりしてくれることが救いでもある」と述べた。
デクが一人で立ち向かい続ける「黒いヒーロー編」のダイジェスト映像上映では、アフレコ当時の様子を振り返るトークが展開される。アフレコ期間中、過酷な戦いが続くアニメ本編と連動するように山下がどんどん痩せていったことが明かされ、三宅は別現場で山下を見かけた際にも「オールマイトとして『山下少年……』と心配になってしまった」と話した。その後、第136話、137話の生アフレココーナーへ。一人で死柄木とオール・フォー・ワンに立ち向かうデクを1-Aのメンバーが救う第136話、お茶子による“未成年の主張”が描かれる第137話といった名シーンの連続に、会場からは鼻をすする音がいくつも聞こえてきた。
第136話において石川は、自身が演じる飯田はデクに命を救われたうちの1人であることを踏まえ、「『1人じゃないって言ってくれたのは君じゃないか』という気持ちでこのシーンのセリフを言った記憶があります」と語る。また爆豪がデクに謝るシーンでは「デクを1人の男として、人として見た瞬間だったんだろうな」と述べる岡本。“未成年の主張”で熱演を披露した佐倉は、ファンからも期待を寄せられていたシーンなだけにプレッシャーがあったことを告白したが、実際に演じてみたらお茶子として混じり気なく演じることができたと言う。「このときのお茶子が流している涙は、負けて悲しい涙じゃない、というのを目一杯汲み取って演じました」と話した。
イベント終盤では劇場版第4弾の制作決定が明らかに。堀越によるオリジナルストーリーが繰り広げられること、アニメ本編の時系列に沿った形で展開されることが明かされたほか、デクとオールマイトが描かれたティザービジュアルが発表されると、会場からは歓声があがった。そしてキャスト陣から挨拶が行われる。佐倉はドラマCDの収録時にスタッフから「10年続く作品にします」と言われたことを思い出すと話し、「10年という区切りも夢じゃなくなってきました」と意気込む。山下はイベントを振り返り「1つの場面をピックアップしただけでもすごい量の思い出が出てきます」と感慨深そうに述べ、これからの「僕のヒーローアカデミア」に期待してほしいと呼びかけた。最後は三宅と山下による「更に向こうへ」という呼びかけに対し、観客たちが「プルスウルトラ!」と声を出しイベントは締めくくられた。