清水栄一×下口智裕「ULTRAMAN」が、フル3DCGにてアニメ化されることが決定した。
本日12月1日0時に、公式サイトにてアニメ化が発表された「ULTRAMAN」。本日千葉・幕張メッセにて開催された「東京コミコン2017」内にて行われた制作発表会では、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズ、「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」の神山健治と、「APPLESEED」「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」の荒牧伸志が、2人体制にて監督を担当することが明かされた。制作はProduction I.G×SOLA DIGITAL ARTSが務める。
ステージに登壇した神山は、初代「ウルトラマン」の放送が、自身が生まれた年でもある1966年にスタートしたことに触れ、「本当に歴史があって、大好きな作品。携われることを楽しみにしています」とコメントし、荒牧も「『ウルトラQ』も『ウルトラマン』も毎週楽しみに観ていた。その流れを汲む作品で監督させていただくのは光栄ですし、肩に力が入っちゃいますね」と喜びを口にした。イベントではPVが上映され、モーションキャプチャーにて制作された3DCGアニメーションのウルトラマンの姿が公開。神山は「今公開したものよりもさらにアニメーション的なケレン味を足していく」と述べ、荒牧も「アクションはモーションキャプチャーと、アニメーション的な表現の気持ちのいい落としどころを意識して作っている」と説明した。
ここでステージにはサプライズゲストとして、「ULTRAMAN」原作者である清水栄一と下口智裕が登壇。清水は「僕らはもともと両監督の大ファンだったので、単純に両監督の新作アニメとしても楽しみにしている。すごく贅沢な立場」と心境を語り、下口は「(モーションキャプチャーの)撮影現場に見学に行ったんですが、今まで見たことのない映像になるんだろうなと、その場でも期待が感じられた」と笑顔を見せた。
映像化にする際のポイントについて、神山は「特撮の『ウルトラマン』と違うのは、巨大化しないところ。等身大のヒーローをどう描いていくかというところと、ハヤタ・シンの息子である主人公の早田進次郎が、どうやってヒーローになっていくかというドラマの部分も重要」と話し、キャラクターたちのドラマにも力を入れていくことを明かす。荒牧も「モーションキャプチャーでウルトラマンの活躍を描くにあたり、アニメなんですけど、今回の映像でも中に人間が入っている感じがするようにしたいと思った」と意見を口にしながら、「それがデジタル時代の特撮なんじゃないかと、今できてきている映像を観て感じた」と述懐する。
神山も「モーションキャプチャーの現場で、役者さんが演じたデータをその場で3Dのウルトラマンの映像として流し込めるんですけど、その映像をチェックしてる段階で『特撮っぽいな』という感じはありますね」と同意。またモーションキャプチャーでアニメを作ることのメリットについて、「もちろん声優さんがキャラクターに魂を吹き込んでくれるのもアニメーションのよさの1つなんですが、『(キャラクターが)こういうことを考えていたんじゃないだろうか』という、監督である我々でも気がつかないような(モーションキャプチャーの)役者さんからのフィードバックがある」と今回の取り組みならではのよさについて語った。
最後に清水と下口はアニメの完成が「楽しみ」と口を揃えながら、「アニメに負けないように自分たちもがんばって作っていきたい」と意気込む。神山は「特撮の『ウルトラマン』から始まって、マンガの『ULTRAMAN』も多くのファンがいらっしゃると思いますが、その人たちに楽しんでいただけるアニメーションを作れるよう、スタッフ一同がんばっておりますので完成を期待して待っていてください」、荒牧は「マンガの『ULTRAMAN』のファンの方の期待を裏切ることなく、さらにいろんな世代を取り込めるようにスタッフ一同絶賛制作中です。ぜひ楽しみにしていてください」とメッセージを寄せた。
「ULTRAMAN」は初代ウルトラマンであるハヤタ・シンの息子・早田進次郎が、新たなヒーローとして活躍する物語。単行本の最新11巻は12月5日に発売される。アニメは2019年に公開予定。
神山健治監督コメント
荒牧監督と共に3DCGで「ULTRAMAN」のアニメーション制作に挑戦しています。
いままでにも3Dでのアニメ制作は経験がありましたが、モーションキャプチャーを使用するのは今回初めての経験です。
演出の仕方、絵作りの方法論は手付けや作画のアニメ制作とは異なりますが、新しいチャレンジは作品を作っていく上で刺激になり、面白いアイディアに繋がっていくという確信があります。
荒牧伸志監督コメント
今回、「ULTRAMAN」という大きなタイトルを、さらに神山監督という強力すぎるクリエイターと一緒に作る、ということが、私には過激な緊張感と期待感をもたらしています。
日本で作る3DCGアニメの作品として、CGアニメの新形態を見せたいと思っています。
原作コミックのおもしろさを増幅し、ウルトラマンシリーズのファン、原作コミックのファンだけでなく、全く新しいファンも楽しめるような作品にするべく全力を投入します。