劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」の舞台挨拶が本日7月2日に東京・新宿バルト9で開催され、梓川咲太役の石川界人、梓川花楓役の久保ユリカ、原作者の鴨志田一、増井壮一監督が登壇した。
6月23日に劇場公開された「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」。キャストに加えて鴨志田、増井監督も登壇する舞台挨拶は本日が初めてということで、登壇者たちは改めて今作の制作が決まった当時のことを振り返る。増井監督は「『やるやる』とふたつ返事でした」とすぐに引き受けたと話し、一方鴨志田は「『やります……?』っていう感じでした」と対照的な反応。鴨志田は「(前作の)『ゆめみる少女』も公開前のタイミングだったので、今まさにマラソン走ってる最中なのに、次のレースが決まりましたと言われても(笑)」と当時の心境を明かした。
「おでかけシスター」は咲太の妹・花楓にスポットを当てた作品。石川は「原作を読んでいたので、演じたいところもたくさんあったし、『おでかけシスター』は作風もそれまでとはちょっと違って、小さな積み重ねが多い。繊細な表現をがんばりたいって思っている時期だったのもあって、すごくやる気になりました」と振り返る。久保は「やっといろんな方に花楓のことをわかってもらえる!という気持ちでした」と述懐。増井監督も「花楓の人物像がようやくど真ん中で見ていただける」という思いがあったと語った。
鴨志田も原作の執筆時、「花楓がどんな女の子なのかを広く知っていただきたい」という目標があったという。「(花楓の人格が戻ったことを)“喪失”として受け取る方もいらっしゃいましたし、『かえでを返して』とも言われました。石川さんも言ってたし」と鴨志田が水を向けると、石川が「パンダを見に行くって言ってたんだよ、かえではぁ!!」と情感たっぷりに叫び、観客から拍手を集める一幕も。そんなかえでと花楓を演じてきた久保は、「『かえでを返してほしい』と言われたとき、『私は返せませんので……』みたいな感じで、先生にいくようにしちゃってました(笑)」と鴨志田に謝罪。さらに「かえでがいるだけで作品が明るくなる。そういう存在だったので、寂しい気持ちはすごくわかるんですが、そんなに言う!?ってくらい言われたので、つらかったです」と率直な気持ちも明かすと、石川は横で「ごめんなさい」と小さく謝罪してみせた。
舞台挨拶の中では今冬公開予定の次作「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」についての話題も。増井監督は「前後編のようなもの。今日は花楓のがんばりを楽しんでいただきたいですが、まだ終わってないよということで、楽しみに待っていただけたら」と期待感を煽る。そして石川はこれから「おでかけシスター」を鑑賞する観客に向け、「過去の自分、積み上げてきたものは間違ってないんだよと教えてくれる作品。元気をもらって帰っていただけたら」と呼びかけ、久保は「花楓は真面目ゆえに考え過ぎちゃうし、人からの見え方や言われたことを必要以上に感じ取ってしまう部分があるんですが、それゆえに人からの優しさもしっかり受け止めることができる女の子。そういう部分を見てもらえたらうれしいです」とメッセージを贈った。
「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」
公開中
スタッフ
原作:鴨志田一(電撃文庫刊「『青春ブタ野郎』シリーズ」)
原作イラスト:溝口ケージ
監督:増井壮一
構成・脚本:横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督:田村里美
プロップデザイン:道下康太
美術設定:塩澤良憲
美術監督:大久保 聡
色彩設計:横田明日香
3Dディレクター:織田健吾、田中葉月
2Dワークス・特殊効果:内海紗耶
撮影監督:楊暁牧
編集:三嶋章紀
音響監督:岩浪美和
音楽:fox capture plan
制作:CloverWorks
製作:青ブタ Project
キャスト
梓川咲太:石川界人
桜島麻衣:瀬戸麻沙美
梓川花楓:久保ユリカ
古賀朋絵:東山奈央
双葉理央:種崎敦美
豊浜のどか:内田真礼
牧之原翔子:水瀬いのり
※種崎敦美の崎はたつさきが正式表記。
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