武内直子原作によるアニメ「劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』」後編の公開記念舞台挨拶が、本日7月1日に東京・丸の内TOEIで開催された。イベントにはエターナルセーラームーン/月野うさぎ役の三石琴乃、エターナルセーラーマーキュリー/水野亜美役の金元寿子、エターナルセーラーマーズ/火野レイ役の佐藤利奈、エターナルセーラージュピター/木野まこと役の小清水亜美、エターナルセーラーヴィーナス/愛野美奈子役の伊藤静、高橋知也監督が登壇し、後編の公開を迎えた心中を赤裸々に語った。
終盤でエターナルセーラームーンが涙を浮かべながら戦うシーンについて聞かれた三石。「涙ながらにも前に進む姿は“セーラームーニズム”だろうなと。そういうとき、これまでうさぎちゃんはネガティブになりがちでしたが、今作はそこを一枚脱皮して強くなりました。『これがセーラームーンだよ』と、気持ちを乗せて演じることができたと思います」と振り返る。「美少女戦士セーラームーン」の魅力を語るコーナーでは「うさぎを演じるとサビが落ちるというか、心が研ぎ澄まされるというか。技術とかは置いておいて、とにかく気持ちだけでお芝居しなきゃとなるんですよね。それは仕事をするうえでセーラームーンからパワーをもらっている感じがします」と語った。
また後編の公開を迎え、佐藤は「分散収録だったこともあり、セーラーマーズとして(苦しい思いをしているセーラームーンの)そばにいられない悔しさもありました。でも出来上がったものを見たらすべてを乗り越えてうさぎちゃんがみんなを導いてくれていて。これが『見たかったセーラームーンだ!』と思いました」と述懐。伊藤はキャスト、スタッフ陣と一緒に過ごしてきた10年間を振り返り「最後まで完走できてよかったという気持ちがあります!」と涙ぐみながら語った。また後編ではダークサイド側のセリフが多かったと話す小清水。「心の中で『うさぎちゃんごめん』と思いながら上から目線で『ワハハ!』と笑っていたのはちょっと楽しかったです(笑)」と赤裸々に告白した。
劇場版の前後編を通して注目してほしいポイントを聞かれたキャスト陣。佐藤は「大人になってセーラームーンを見てみると、悪と呼ばれる人たちにもきちんとその行動を起こした理由がある。彼女たちの物語にも注目してほしい」と述べる。高橋監督はセーラーコスモスがエターナルセーラームーンに救われる場面を挙げ、「みんな、どこかしらうさぎに救われている部分が大きいと思っていて。セーラーコスモスは、そんなうさぎに救われる役として描きたかった」と解説した。
その後サプライズとしてタキシード仮面/地場衛役の野島健児が「永遠の愛」という意味を持つ99本のバラの花束を持ち登壇。三石に手渡しながら、野島は三石へメッセージを送る。「アフレコから10年間、お疲れ様でした。10年前、地場衛という役の新たな魂として入らせていただいて、新たなメンバーの中でどうコミュニケーションを取っていこうかと悩んだ時期もありました。そんな中で三石さんの作品に対する真摯な姿勢に、その大きな愛に、僕の中の地場衛を作っていっていただいたような気持ちです」とこれまでを振り返り、感謝を述べる。そしてキャスト陣1人ひとりが三石へ抱く感謝や思いを告白。オーディション時を振り返った金元は「自分が亜美ちゃんだと言われたとき、すごく怖くなってしまって。アフレコに向かうときに緊張とプレッシャーで追い詰められたような気持ちになっていたのですが、(三石が)温かく見守ってくださったことで、次第に自分がセーラーマーキュリーなんだ、セーラームーンを支えるんだという気持ちになってこれたと思います。大きな愛情を私たちに向けてくださってありがとうございました」と涙を浮かべながら語った。
各々の言葉を聞いた三石が、最後に自身の思いを語る。「一生分好きって言われた感じでもったいない感じ(笑)」と言いながらも、「作品へのリスペクトが大きければ大きいほどプレッシャーがあるだろうと心配していたのもあって、最初は私が引っ張っていかなきゃと思っていました。でも今では私が皆を頼りにしています」と涙を見せながら語る。そして新シリーズが始まるときに、1990年代のセーラー戦士から「子供たちにたくさん素敵な夢を与えてね」と言付かっていたことを明かし「子供たちに向けてのアピールがちょっと足りなかったかもしれないというのは心残りなので、映画やアニメの旧作からでもいいので、今後も引き続き見ていただけたらうれしいなと思います。皆さまの愛に感謝しかありません」と締めくくりイベントは閉幕した。会場からはあたたかく大きな拍手が贈られた。
「劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』《前編》」「劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』《後編》」
前編:公開中
後編:公開中
スタッフ
原作・総監修:武内直子
監督:高橋知也
脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:只野和子
音楽:高梨康治
美術監督:空閑由美子(スタジオじゃっく)
アニメーション制作:東映アニメーション、スタジオディーン
配給:東映
キャスト
三石琴乃、野島健児、福圓美里、金元寿子、佐藤利奈、小清水亜美、伊藤静、皆川純子、大原さやか、前田愛、藤井ゆきよ、水樹奈々、井上麻里奈、早見沙織、佐倉綾音、林原めぐみ、小泉瀬奈、村瀬歩、日笠陽子、伊瀬茉莉也、工藤晴香、三上枝織、伊藤かな恵、水沢史絵、小松由佳 ほか
※高橋知也監督の高ははしごだかが正式表記。
(c)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」製作委員会