小林千晃らが語る「スプリガン」の好きな点は?細谷佳正「映画のような雰囲気がある」
たかしげ宙・皆川亮二原作によるアニメ「スプリガン」の上映イベントが、本日6月17日に東京・TOHOシネマズ日比谷で開催された。トークには御神苗優役の小林千晃、ジャン・ジャックモンド役の阿座上洋平、染井芳乃役の伊瀬茉莉也、暁巌役の細谷佳正が登壇。14時45分の回の上映後、17時25分の回の上映前と2回トークが行われたが、本記事では14時45分の回の模様をレポートする。
2022年にNetflixシリーズとして配信され、7月7日にTOKYO MXで地上波放送がスタートするアニメ「スプリガン」。それを記念して行われた本日のイベントでは、1回目に「ノアの方舟」「狂戦士(バーサーカー)」、2回目に「帰らずの森」「水晶髑髏」が、それぞれ5.1chで上映された。最初の挨拶で「日比谷!」と客席にマイクを向ける小林に、早速司会者から「ツアーじゃないです」などとツッコミが入る。キャラクターを演じてみてどうだったかと尋ねられると、小林は「音響監督の長崎(行男)さんに『もっと江戸っ子で、べらんめぇ口調で』というディレクションを受けて。(優は)暑苦しい感じがありつつも、戦闘になるとクレバーになる。そのメリハリも意識しつつ演じてほしいというのがけっこう大変でした」とコメントした。
阿座上は、「粗野で荒っぽくて口が悪い、チンピラやヤンキーに近いイメージを持っていたんですけど、長崎さんから『フランス人らしい気品を持ってくれ』と言われて。『このセリフで!?』と。そこのバランス感覚が難しかったです」と明かす。また「『俺がいないとお前、100回は死んでいるところだぜ』というセリフは、『俺がいないとダメだろ?』と上から言い渡すようにしたらOKをもらえました。(セリフを)ぶつけるというよりは投げかけるようにしたことが、ジャンにつながっていったのかな」と振り返った。
伊瀬は「芳乃って、『スプリガン』のキャラクターの中でも表情がとにかくころころ変わるんですよ。なのでお芝居もデフォルメチックにしたほうがいいのかなって考えていたんですけど、いざ千晃さんとかけ合いがはじまると、頭で考えていたものがスッと抜けて、自然に芳乃としてその場にいられたというか。一緒に作り上げていってもらったなという感覚があります」と役作りに触れながら、「ズル賢くても憎めないところが芳乃のよさだと思うので、そういうところが出せたらいいなと思って演じていました」と続ける。細谷は「長崎音響監督は、僕に微妙な妙齢の役をやらせたがるんです。別作品のときも、大塚明夫さんが演じていそうな役を振られて。また長崎さんが無理を言っていると思ったんですけど、暁巌のプロフィールを見たら32歳って書いてあって、そうでもないのかと。むしろ僕より年下なんだなって」と発言し、笑いを誘った。
作品の好きなポイントを問われると、小林は「優が一般人に溶け込んでいるっていうのがけっこう好きですね。殺人マシーンとして育て上げられて、常に戦場にいるんだけど、それを隠して普通の高校生っぽくしている。『スプリガン』の中でも数少ない穏やかな日常シーンでもあるので、好きですね」と語る。阿座上は「メッセージ性が伝わってくる、何が正義なんだろうと考えさせられるストーリーがすごく多くて。もちろんワクワクもするんですけど、自分1人で考えさせられる時間も得られる」と返した。
伊瀬は「骨太のストーリーで、ひと言で魅力は語れない」と伝えた上で、「原作の『スプリガン』が大好きな人たちが集まって作っているので、(新しいアニメを通して)幅広い世代の人たちに『スプリガン』を知ってもらいたいです。キャラクター同士のかけ合いがなんかグッとくるんですよね。演者の皆さんも、本当にハートを注いでお芝居してるので、そういうかけ合いの部分で人間ドラマを感じてくださるとうれしいです」と語りかける。細谷は骨太のストーリーという点に同意しながら、「(最初から)Netflixで全世界公開されることを考えて作っているので、映画のような雰囲気がある。映画レベルの骨太な内容なんですが、アニメだったら観るという人も多いと思うので、そこのお客さんも取り込んでいけるし、世界の人たちも同時に取り込んでいけるというのは、魅力なのかなと思います」と、アニメの魅力について言及した。
登壇者を代表して小林は「地上波で放送されるということは、2期もやりたいなとは多分(制作陣が)思っているはずなので、TV放送が始まったら布教とか、楽しかったという思いをいっぱいつぶやいていただけたら幸いです」と最後にアピール。大きな拍手の中、イベントは締めくくられた。
(c)2021 たかしげ宙、皆川亮二・小学館/スプリガン Project