美しいがたくさん詰まった、舞台「エロイカより愛をこめて」本日開幕
青池保子原作による舞台「ステージ『エロイカより愛をこめて』」の公開ゲネプロが、去る5月10日に東京・渋谷区文化総合センター大和田のさくらホールで行われた。
「エロイカより愛をこめて」は男色の美術品窃盗犯“怪盗エロイカ”ことドリアン・レッド・グローリア伯爵が、“鉄のクラウス”ことNATOのクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐の作戦行動と遭遇し、騒動を引き起こすスパイコメディ。原作は1976年から発表されており、単行本は39巻まで刊行されている。
舞台では怪盗エロイカ/ドリアン・レッド・グローリア伯爵役を中山優貴、クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐役を村田充が担当。伯爵とお金と小銭を愛する計理士・ジェイムズ役で杉江大志、伯爵の部下で非常に有能なボーナム役で藤原祐規、部下A(アー)役で鷲尾修斗、部下B(ベー)役で杉咲真広、部下G(ゲー)役で蔵田尚樹、エーベルバッハ家に受け継がれる「絵画『紫を着る男』」役で田内季宇、ソ連大使でありKGBの白クマ役で八神蓮が出演する。
ゲネプロ前に行われたフォトセッションにはメインキャストが全員登場。「ステージ『エロイカより愛をこめて』」について「本当に美しいがたくさん詰まった作品」と語る中山は、「ここまでいろんな演出をやる作品は珍しいと思うくらい、いろいろな演出が詰まっていますので最後まで楽しんでいただけたら」と期待を煽る。村田も「ご観劇いただいたあとに楽しかったなという余韻もお持ち帰りいただける作品になっていると思います」と自信を覗かせた。
「とても見やすい作品になっている」と述べる杉江は、「全体を通してずっと美しい。ここまで美しい作品はあんまりないんじゃないかなと思いますので、美しさを浴びに来てもらえたら」とアピール。長年続く人気作品ということもありプレッシャーを感じているという藤原は「お芝居はもちろん歌も踊りもがんばっていますので、応援のほどよろしくお願いします」と挨拶する。
鷲尾、杉咲、蔵田の3人が演じるA、B、Gは少佐の部下という役どころ。杉咲は「A、B、Gで少佐にくっついていけるように、舞台上を走り回ってまいります」と、女装で任務をこなすことも多いことから自身を“カンパニーの紅一点”と評した蔵田は「部下3人で少佐のことを支えていきたいなと思います」と意気込む。鷲尾は「メインキャストはもちろん、いろんな役をこなすアンサンブルの子たちもいるので、『何役が一緒(のキャスト)だった』なども観ていただけたら楽しめる作品になっていると思います」と注目ポイントを解説。自身が絵画を演じる田内は「“絵になるキャスト”たちの舞台なので1シーン1シーン目に焼き付けていただけたら」、八神は「愛を込めてキャスト一同届けるので、ぜひ観に来てくれるとうれしいです」と呼びかけた。
「ステージ『エロイカより愛をこめて』」は、少佐の家に秘蔵されている「紫を着る男」という絵画に伯爵が魅了され、その絵を手に入れると予告したことから物語が動き出す。2階建てのセットを使って展開される、伯爵が乗る車と少佐が操る戦車のスピード感あふれるチェイスは前半の見どころの1つだ。さらに後編ではネオナチによって爆破予告が行われ、少佐が不眠不休で捜査にあたることになる。舞台のラストには観客の写真撮影コーナーも設けられているので、来場者はカメラをお忘れなく。
「ステージ『エロイカより愛をこめて』」は、本日5月11日から14日まで各日昼夜の2公演をさくらホールで上演。当日券も用意されているので、気になる人はチェックしてみては。なお公演DVDとメイキングDVDが、それぞれ11月29日に発売されることも決定している。
ステージ「エロイカより愛をこめて」
日程: 2023年5月11日(木)~14日(日)
会場:東京都 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
スタッフ
原作:「エロイカより愛をこめて」 青池保子(秋田書店刊)
演出:児玉明子
脚本:入江おろぱ
主催:株式会社 Lol
キャスト
怪盗エロイカ / ドリアン・レッド・グローリア伯爵:中山優貴
クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐:村田充
ジェイムズ:杉江大志
ボーナム:藤原祐規
部下A(アー):鷲尾修斗
部下B(ベー):杉咲真広
部下G(ゲー):蔵田尚樹
絵画「紫を着る男」:田内季宇
白クマ:八神蓮
アンサンブル
伊藤俊、岩下零時、尾崎豪、竹内一喜、田中朝陽、山田隼人
(c)青池保子(秋田書店)1978/ステージ『エロイカより愛をこめて』2023