荒木飛呂彦原作による実写映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の完成報告イベントが、本日4月25日に東京・国立新美術館で行われた。
フランス・ルーヴルを舞台に、岸辺露伴が「この世で最も黒く、邪悪な絵」の謎を追う「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」。完成報告イベントには露伴役の高橋一生、泉京香役の飯豊まりえ、青年期の露伴役の長尾謙杜(なにわ男子)、辰巳隆之介役の安藤政信、渡辺一貴監督が登壇した。なお会場の国立新美術館では、3月から6月にかけて企画展「ルーヴル美術館展 愛を描く」を開催中だ。
2020年、2021年、2022年放送のTVドラマ版を経て、このたびの映画公開に至った「岸辺露伴は動かない」シリーズ。映画化を聞いたときの心境を聞かれると、高橋は「1作目を撮っていたときに、(監督の)一貴さんから『今のお芝居よかったです。でも、『ルーヴル』のときに取っておいてください』なんて冗談で言われていて(笑)。撮影を重ねるにつれて、『次のときは……!』と各部署のスタッフさんとも話をしていました。それが現実になるなんて不思議な感覚です」と答える。同じ質問に、飯豊は「フランスでのロケがあるということで、一貴さんに『泉くんは行けますか?』と聞いたら『フランス語がしゃべれないとね』と言われていて(笑)。私はお留守番かなと思ってましたが、無事に行くことができました」とにこやかに述べた。
長尾と安藤は今作が「岸辺露伴は動かない」シリーズへの初参加。長尾はオファーを受けたときの心境について「すごくびっくりしました。原作が好きで、ドラマもいち視聴者として楽しませていただいていました。マネージャーさんから『ジョジョ好きだよね?』って台本をポンと渡されて、自分が作品に携われるんだという驚きと、あのドラマが映画化するんだという驚きがありました」と話す。安藤は「俺は人からとっつきづらいと思われがちなので、この長く続いているシリーズに急に飛び込めるだろうかとめちゃくちゃ悩みました」と当初は不安があったことを吐露しながら、「でも一生やまりえが温かく受け入れてくれて、それがすごくうれしかった。どうしてこの作品がこんなに長く続いてるのか……それはスタッフやキャストがこの作品を愛しているから、温かくて懐が広いからなんだと感じました」と述べた。
フランスでのロケについて、高橋は「現地のスタッフさんたちが、この作品を好いてくれているというのがすごく伝わってきました。日本のスタッフさんが先に現地入りしてコミュニケーションを取ってくれていたので、僕たち俳優部が入ったときにはすでにチームワークができあがっていた。僕らはそこに飛び込んでいくだけだったので、非常に安心感のある中でお芝居ができました」とコメント。飯豊は「閉館後のルーヴル美術館を貸し切らせてもらって、『モナ・リザ』の前でお芝居ができたことは本当に夢みたいでした」としみじみ振り返りつつ、あるシーンの撮影のためにバスに乗って凱旋門の周りを50周もグルグル回ったことを裏話として明かした。
本編での関わりはなかった露伴役の2人だが、長尾は休みの日に撮影現場に行って高橋の演技を見学したそう。長尾が「私服で現場に行っていたので、『おはようございます!』と一生さんに言っても最初は気付いてくれなくて。3回目ぐらいでやっと気付いてくださりました(笑)」と話すと、高橋は「長尾さんのことはもちろん存じ上げていたんだけど、その日は大変なシーンの撮影で。僕は周りがまったく見えていない中年だったと思います(笑)」と弁解しながら謝罪した。
イベントでは青年期の露伴が出会う謎の多い黒髪の女性・奈々瀬を演じる木村文乃からのビデオメッセージが流れる一幕も。木村は「奈々瀬は回想シーンに登場するのですが、そのときの露伴さんは露伴さんじゃない。今まで見たことがない姿を見られるんじゃないかなと思います」とアピールする。最後に高橋は「一本筋が通っているようで、まったく別の話が流れているようにも感じつつ、最後は1つに集約していく奇妙で素敵な物語になっています。サスペンスでありホラーでありヒューマンドラマであり、どれにもカテゴライズわけできない。僕が理想としていた映画としての要素が随所に詰まっている作品なので、ぜひ皆さんで観ていただけたら」と締め括った。
「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」
2023年5月26日(金)ロードショー
出演:高橋一生、飯豊まりえ、長尾謙杜、安藤政信、美波、木村文乃
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔 / 新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣装デザイン:柘植伊佐夫
製作:「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」 製作委員会
制作プロダクション:アスミック・エース、NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給:アスミック・エース
(c)2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 (c) LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社