CLAMP原作のTVアニメ「カードキャプターさくら」のイベント「さくらフェス2023」が、去る4月1日に東京・品川インターシティホールにて開催。コミックナタリーでは、昼公演の様子をレポートする。
4月1日生まれのさくらを祝う誕生会をテーマとするこのイベントには、木之本桜役の丹下桜、大道寺知世役の岩男潤子、ケルベロス役の久川綾、李小狼役のくまいもとこが出席。観客がケロちゃんの顔を模したペンライトを手に開演を待っていると、ステージ上にケロちゃんとスッピーが登場し、イベントがスタートした。
アニメ「カードキャプターさくら」放送25周年を記念し、2018年から5年ぶりに開催された「さくらフェス」。イベントでは丹下たちキャスト陣が、「クロウカード編」「さくらカード編」「クリアカード編」のさまざまな名場面を振り返った。「クロウカード編」第32話でケロちゃんと小狼の体と中身が入れ替わった場面では、くまいが「東京出身なので、関西弁が全然わからなくて……。久川さんに一言一句間違えないように教えてもらいました。でも関西の人は、私のエセ関西弁にイラっとしていたかも……」と不安げな表情を浮かべると、久川は「大丈夫大丈夫!」と太鼓判を押す。続けて第42話で小狼がドレス姿になった場面がスクリーンに写し出されると、くまいは思わず吹き出してしまい「今日は罰ゲーム大会ですか?」と疑問を呈した。
同じく「クロウカード編」から、第46話でさくらがユエから最後の審判を受けるシーンが映し出されると、丹下は月城雪兎とユエの2役を演じた緒方恵美とのエピソードを披露する。丹下は雪兎でもあるユエからさくらが攻撃されたことがショックだったと思い起こしつつ、第46話の収録時には「緒方さんから『ごめん、今日は会話できないから…!』と言われて、私も分かりましたとお答えして収録に臨んだことをよく覚えています」と紹介。またこの回ではさくらのおなじみのセリフ「絶対だいじょうぶだよ」が登場しており、丹下は会場のファンを見回しながら「さくらちゃんと言えば、な無敵のセリフですよね。もしかしたら皆さんも『人生いろいろや、うっしゃー!』なことを、『絶対だいじょうぶだよ』と乗り越えながら今日この場にいらしてくださったのかもしれませんね」とやさしく語りかけた。
話題は「さくらカード編」へと移り、第50話で小狼が初めてさくらを名前で呼んだ場面がピックアップされる。くまいが「さくらのことはずっと『おい』とか『お前』と呼んでいたので、感慨深いですね。ここでぐっと心の距離が縮まった気がしました」と振り返る。続けて第70話で小狼がさくらに思いを告げた場面では、丹下が「小狼くんはちゃんと思いを伝えてくれているのに、さくらはわりとふわっとしているという、嫌ですね……!」と身悶えていると、岩男が「気持ちを言い出せなくて、もどかしいさくらちゃんもかわいい。演じてる私としても、愛おしくて、幸せになってねっていう気持ちです」とほほえむ。そんな岩男のコメントを受けて、丹下は「知世ちゃんは天使越えてもう聖母ですよね。尊すぎて地上の人じゃないみたい……」と圧倒されていた。
「クリアカード編」では、久川が名物コーナー「ケロちゃんにおまかせ!」の裏話を披露。クリアカード編から「ケロちゃんにおまかせ!」の収録ではテストがなくなってしまったそうで、久川は「クリアカード編の後半で、カードの名前をずらずらーっと話す回があったんですが、あれも本番一発で。あの回で自分の出番がないときは、カードの名前を黙読してこっそり練習してました(笑)。今となっては楽しい思い出ですけど、当時の自分はけっこうテンパっていましたね」と笑う。丹下は「綾さんだからなせる技ですよ!」と久川を称賛した。
イベント内では岩男が「夜の歌」を伸びやかな声で歌い上げる場面や、知世がこれまで作ってきたさくらのコスチュームをキャストたちが語り合う場面も。さくらと小狼が次第に距離を縮めていく名場面を集めたコーナーでは、2人の甘酸っぱい思い出の数々に、丹下とくまいが赤面してしまう。丹下は「どんな顔をしてアフレコすればいいかわからなかったし、今もどんな顔をしてここに座っていればいいかわからない……」と照れ、くまいは無言のまま服の裾で顔を扇いでいた。
大道寺家で行われたさくらの誕生日会というテーマの朗読劇「さくらちゃんのお誕生日会」の最中には、桜の花をモチーフにした大きなバースデーケーキが登場し、キャストと観客が「さくらちゃん、お誕生日おめでとう!」と声を揃える場面も。「カードキャプターさくら」シリーズ最新情報の告知が行われたあと、ステージには謎の封筒を持ったケロちゃんとスッピーが駆けこんでくる。手渡された封筒を開けた丹下は、アニメ「クリアカード編」の続編制作が決定したことを発表。会場は一瞬にして大きな歓声に包まれ、中には涙を拭うファンの姿も見られた。
続編の制作決定はキャストたちもイベントの直前に知らされたという。丹下は「びっくりだよね。私たちもイベント直前に聞いたばっかりなので。そのときもうれしかったけど、こうしてみなさんと一緒に喜びを分かち合えてより実感できました。キャスト、スタッフの皆さんとまた頑張りますので、楽しみに待っていてください。ありがとうございました!」と語り、ステージを後にした。