「海が走るエンドロール」のたらちねジョンが、本日11月24日に刊行された天沢夏月の小説「青の刀匠」の装画を担当した。
「青の刀匠」は心と身体に傷を負った孤独な男子高校生のコテツが、日本で唯一といえる女性の刀鍛冶に出会い、彼女やその弟子たち、伝統工芸である刀作りに関わるうちに心が動かされていく物語。たらちねは同書の装画にて主人公のコテツを描いた。
天沢夏月コメント
刀鍛冶小説であり、同時に青春小説であることを両立させようと考えたとき、「鍛錬」と「鍛練」の両方を描きたいと思いました。
「鍛錬」とは鉄を強く鍛えること。
「鍛練」とは人が修練を積み重ねること。
鉄には鉄の魂があり、人には人の魂がある。「鍛」という字は、言ってみれば“魂”を磨き上げることを意味するのだと思います。ならばその過程で、この二つが共鳴する瞬間も、きっとあるだろうと思いました。
今の世で日本刀が武器として使われることはありませんが、それでも彼らは確かに“断ち切るもの”です。
見た者の心に深く切り込み、畏怖と感銘を静かに刻む――「青の刀匠」もまた、一振りの物語として、読んでくださった人の心に何か残すことができたなら、作者としてこれ以上の喜びはありません。