「王立宇宙軍 オネアミスの翼」シロツグ役の森本レオによるテレビCM、展示会も開催
長編アニメーション映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」より、主人公・シロツグ役の森本レオがナレーションを担当したテレビCMが公開された。
1987年3月14日に劇場公開され、今年35周年を迎えた映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」。10月28日には同作の4Kリマスター映像によるリバイバル上映が決定している。テレビCMとして制作されたのは、4Kリマスター版の上映告知CMと、4K ULTRA HD Blu-rayとBlu-rayがセットになった「4Kリマスターメモリアルボックス」の発売告知CM。上映告知CMでは、劇中でも象徴的だった「立派に元気にやるんだ」というシロツグのセリフが、35年ぶりに演じる森本の声によって再現されている。併せて森本からは、35周年を記念したコメントが到着。森本は「初めてプロデューサーさんに会った時、いきなり、『上手にだけは、絶対やらないで下さいね』、と言われてびっくりした」と、当時のエピソードを語った。
またスカイフォールが手がけるアニメ関連のデジタルミュージアム・ANIMUSEのコンテンツ第1弾として、「王立宇宙軍 オネアミスの翼」が決定。8月10日から12月末まで、「Ver.0.3 スペシャルプロローグ」、本展第1弾、本展第2弾の3回にわたり、「『王立宇宙軍 オネアミスの翼』展」が開催される。「Ver.0.3 スペシャルプロローグ」は無料、本展第1弾、第2弾は有料となっており、未公開資料のイメージボード、絵コンテ、設定、原画、テスト映像など、約1000点の展示を行う。「『王立宇宙軍 オネアミスの翼』展」の開催に向け、ANIMUSEの館長・植田益朗、「王立宇宙軍 オネアミスの翼」公開35周年記念プロジェクト企画プロデューサー・渡辺繁、ANIMUSEの外観デザインを手がけたカラーの前田真宏からは、コメントが寄せられている。なおANIMUSEのコンセプト・ストーリーはスタジオぬえの森田繁が務めた。
森本レオ(シロツグ役)コメント
この作品はなぜか、いつの時代とも、どこかで響きあっているような気がします。
初めてプロデューサーさんに会った時、いきなり、「上手にだけは、絶対やらないで下さいね」、と言われてびっくりした。
「永遠の未完成に、憧れているのですよ」。と熱い笑顔でおっしゃる。それが、歴史という夢の、本質なのだそうだ。
あー、だから僕なんだー、と突っ込むと、ぜんぜん否定する気配もなく、笑い転げてらっしゃった。
途方に暮れたよー。
シロツグ役 森本レオ
植田益朗(ANIMUSE館長)コメント
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」35周年記念プロジェクトとして膨大な点数を世に出すにあたり、コロナ禍によるリアル展示の難しさも重なり、場所にも時間にも左右されず鑑賞できるデジタルミュージアムを構想しました。そこで展示されたものはデジタルアーカイブされるというメリットもあります。アニメとその関連コンテンツを展示し、文化を保存・継承することによる業界の発展を目指しています。
渡辺繁(「王立宇宙軍 オネアミスの翼」公開35周年記念プロジェクト企画プロデューサー)コメント
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は玩具メーカーだった株式会社バンダイがその自主製作作品第一作としてスポンサードし、この作品を機に作られた株式会社ガイナックスのスタジオに集った若いスタッフのみなさんと共に世に送り出した劇場公開アニメーション映画でした。去る3月14日に35周年を迎え、本年10月28日からは装いも新たな4K劇場版としてリバイバル公開も予定されております。一方公開から35年という歳月が経ち、その間制作に供された様々な素材の数々は散逸滅失もいたしました。しかしそれらが35周年を機としてでしょうかATAC(特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構)さんへと続々と再集結し始め、累計すると分類するのも困難な一万点超えるものとなりました。これらを株式会社バンダイナムコフィルムワークスさん、株式会社ガイナックスさんにご協力願い、「ANIMUSE」の柿落としここに作品としてお披露目させていただきます。最初はほんの一握りに過ぎませんが現在YouTube等でご覧いただける「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の予告編に添う形で素材の数々の一端をお見せする事に致しました。しかしこれらは膨大な「王立」素材の氷山のほんの一角に過ぎません。残りは暫時この「ANIMUSE」でお見せして参ります。
前田真宏(株式会社カラー)コメント
ANIMUSE外観のデザイン・コンセプト
今回のデザインに関してはまず初めに考えたのは『王立』の世界観に沿った未来、衛星軌道上に建設された宇宙飛行士を顕彰するモニュメント兼ミュージアムであると言うことでした。
展示の物量がどのぐらいになるのか見当もつかないので躯体はモジュール式とし拡張性を持たせよう、と言うのは最初から決めていました。ISSもミュールもそうですし。
内部空間は一般的な美術館ならば天地があり天井の高さ、空間の広さをゆったり取って、、と行きたいところですが限りある空気の量、その循環、温度管理を考えるとあまり広い空間は不自然かな、などと考え直径12mのニッケル合金、断熱材、アルミハニカム積層材で出来た球体モジュールの中に難燃パネルを立方体に組んだ空間を作り、これを回廊状に組み立てて「ワンフロア」としてみました。壁面と床の区別なく自由にレイアウトでき、お客さんは無重量下で浮遊しながら自由に見て歩ける、、、
展示内容によってフロアを分けた方が良いかもと思い積み重ねて階層を作り縦シャフトで繋ぐ、、同じ規格のものを積み重ねただけ、の方が『王立』っぽいかな、、と思ったのですが流石に単調なので回廊の形を円形と方形に分けてズラしてリズムを作りました。
ドッキングポートを縦に並べてぐるりとアンテナフレームで囲んで「エントランス」としてみました。王家の紋章と王直筆の扁額がお出迎えです。
最上階の天辺には飛行士達を導く「スピードの女神像」が天を指しています。
(c)BANDAI VISUAL/GAINAX