カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日6月18日は「海外移住の日」にちなんで、海外での移住生活を描いた作品をピックアップ。上の2つは創作、最後の1本はエッセイ作品となっています。
文・構成 / コミックナタリー編集部
靴下ぬぎ子「思えば遠くにオブスクラ」(秋田書店)
移住生活の醍醐味は、居心地の悪さにあり?
火事で住居を失った28歳のフリーカメラマンが、勢いのままにドイツへと引っ越してしまうベルリン移住マンガ。海外移住と聞くと素敵な暮らしを思い浮かべそうですが、実際には不安や不便とどう付き合っていくかに頭を抱える状況も多いと思います。慣れない土地、知らない人との同居、日本のあれが食べたいが許されない食べ物事情……外国暮らしならではのままならなさに振り回されながら、そんなベルリンでの暮らしを愛おしく感じるようにもなっていく主人公・亜生。居心地の悪さが心地よさにも繋がる、移住生活の真髄がわかるかも?な1作。
「思えば遠くにオブスクラ」靴下ぬぎ子|Souffle(スーフル)
だたろう「北欧ふたりぐらし」(白泉社)
幸せの国・スウェーデンで始まるmysigな生活
コーヒーやお菓子を楽しむ時間「フィーカ」を大事にするという、スウェーデンのリラックスした暮らしに憧れたお疲れ気味の社会人女性・ふゆ美。ちょうどスウェーデンへの転勤を命じられていた彼氏の陽平は「スウェーデンで一緒に暮らそう!」と彼女にプロポーズし、急転直下の結婚と移住が決定してしまう。カフェのコーヒーがおかわり自由でゆっくりお茶の時間を楽しむ文化に感動したり、自宅から徒歩5分で行ける森を散歩したり、幸せの国で始まる2人のmysig(まったり ぬくぬく 心地よい状態)な新生活を描いた「北欧ふたりぐらし」は、ヤングアニマルZERO(白泉社)で連載中。
近藤聡乃「ニューヨークで考え中」(亜紀書房)
1年だけのつもりが、気がつけば10年以上もニューヨークに
1年だけ滞在するつもりが、ふと「このままニューヨークにいよう」と思い立ち、2008年から現在までずっとニューヨークで暮らしている近藤聡乃さん。その様子を綴ったエッセイ作品「ニューヨークで考え中」では、観光気分だったニューヨークでの暮らしがだんだんと日常へと変化していく様子が描かれています。電車で近所の人を見かけ「この人知ってる……誰だっけ?」となったときに「こんなことがニューヨークでも起こるようになるなんて……」と、見知らぬ場所だったニューヨークが自分の居場所になったと感じるようになったり、アメリカ人の恋人と一緒にいるときだけ態度がいい店員に小さな差別を感じたり、ハッとしたりモヤモヤしたり、外国で暮らす日本人の日常が垣間見えます。