ベルアラートニュース

「メタモルフォーゼの縁側」芦田愛菜にとって“縁側”とは?10年分の成長に宮本信子が感激

鶴谷香央理原作による実写映画「メタモルフォーゼの縁側」のヒット祈願イベントが、本日6月8日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。

6月17日に公開される「メタモルフォーゼの縁側」は、人付き合いが苦手な17歳の女子高生・佐山うららと、75歳にしてBLを知った老婦人・市野井雪が、BLマンガを通じて交流を深めていく友情譚。本日のイベントにはうらら役の芦田愛菜、雪役の宮本信子、うららの幼なじみ・河村紡役の高橋恭平(なにわ男子)、外国で暮らす雪の娘・花江役の生田智子、雪の書道教室へ親子で通う印刷所のおじさん・沼田役の光石研、狩山俊輔監督が登壇した。

司会が役作りについて尋ねると、芦田は「原作が好きで、うららの雰囲気を壊したくないと思っていた。原作のうららの表情を見直したりして、“うらら像”をつかんでいきました」とコメント。高橋は「僕は幼なじみがいないので、友人に相談しました。紡は“さりげなイケメン”なので、研究しながらがんばりました」と答える。

宮本は自身の母の私物を劇中で使用することを提案したそう。「母が書道をやっておりまして、去年亡くなったのですが、雪さんとキャラクターがかぶるんです。長い間1つのものを大切に使っていたということを表現したくて、監督にも相談しました」と明かす。この宮本の提案について、狩山監督は「古い物を大事に使っていらっしゃるというのが、雪さんのキャラクターにマッチしていて助かりました」と感謝した。

光石は宮本の演技を「女性3人でのお芝居のとき、生田さん演じる実の娘と、芦田さん演じる娘ではないけれど娘のようなうららとの距離感がそれぞれ違う。そこがものすごく見どころ」と絶賛。宮本を「皆さんこれからご覧になるのに、どうしましょう(笑)」と照れさせる。また宮本は約10年ぶりの共演となった芦田について、「素敵なお嬢さんになって……。もう“愛菜ちゃん”じゃなくて、“愛菜さん”と呼ばなきゃ」と微笑んだ。

映画での注目ポイントについて、芦田は「うららはけっこうこだわりがあって、いつも着ているTシャツも古着でオシャレだったり、部屋も少し狭めなんですけど押入れを机の代わりにしてたりして、それがうららしくてかわいいので注目してほしいです」とコメント。宮本は「光石さんにおんぶされたこと」と言い、まだ映画を観ていない観客たちを驚かせる。このおんぶのシーンについて、光石は「僕も体力がないから宮本さんをおっことさないか怖くて! 何かあっちゃいけないから、監督に何度も撮り直しはできないですからね!って言ってました」と明かした。

高橋は「(紡の)学ラン姿です。中学生以来だったので懐かしさもあり、自分で言うのもなんですけど似合っていますので……(笑)」とアピール。生田は「雪さんが作るごはんがすごくおいしそうです。何種類か出てきますが、香りが漂ってきそうで、ホッとします」と笑顔を見せる。狩山監督は「雪さんとうららの友情のきっかけとなったマンガは、実際のBL作家さんに描いてもらってます。その中身もスクリーンに映し出されるんですが、タイミングなどを何度も試行錯誤しました。きっと雪さんとうららと一緒に読み進めているような感覚になれると思います」と述べた。

イベントではキャストが叶えたい目標をフリップで発表したり、宮司が作品のヒットなどを祈祷するコーナーも。最後に芦田は「縁側は、中と外をつなぐものだと思っています。この映画を観た方にも、うららのように新しい風が吹くんじゃないかと前向きになっていただけたらうれしいです」と呼びかけた。

(c)2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会