映画「恋は光」神尾楓珠が考える恋とは?聞かれすぎた質問に見失いつつも回答
秋★枝原作による実写映画「恋は光」の完成披露試写会が本日5月16日に東京・ニッショーホールで開催され、上映前に西条役の神尾楓珠、北代役の西野七瀬、脚本・監督を務めた小林啓一が登壇した。
「恋は光」は“恋する女性が光って視える”という特異な体質ゆえに、恋愛を遠ざけていた大学生・西条と、性格も恋に対しての考え方も異なる3人の女性たちが“恋とはなんぞや”ということを探究していく物語。西野は自身が演じる北代の話し方について、「実は私の素のしゃべり方を監督が聞いて『あ、そのしゃべり方でやってみて』と言われたのをきっかけに北代の演技ができたので、そういうところも注目してもらえれば」とトークの最初に明かした。
神尾は映画の魅力を「この映画は4人の大学生が恋の定義について意見を交わしていくストーリー。基本は会話劇なんですけど、それが本当に面白くて、テンポもいいし、聴きやすいし。その雰囲気が魅力かなと思います」とコメント。初共演の西野の印象については「七瀬ちゃんのほうが年上なんだけど、空気感が近い感じがして、気を使わずに撮影現場にいられました」と話し、西野も年の差に戸惑ったもののすぐに打ち解けたと同意する。2人が仲を深めたきっかけは小林監督が提案したトレーニングにあったそうで、小林監督はその方法について「ラブシーンを演じるときのメソッドを応用して。2人で3分間見つめあって、架空の過去を作り上げてそれについて語り合ってもらうというものです」と説明していた。
また小林監督は2人の演技について「なるべく自然な感じで、リアリティを出してほしい」と伝えたとのこと。「神尾くんはずっと役と会話している感じがあったんじゃない?」という小林監督の問いかけには、「そうですね。ずっと向き合ってないと、いつこの感覚がなくなるかわからないので」と神尾も頷く。西野は「地声でお芝居したことがなかったので、初めは違和感があったんですけど、やっていくうちに監督に『どんどんよくなってるよ』とおっしゃっていただいて」と振り返ると、小林監督は「めちゃくちゃよくなっていました」と称賛していた。
続いて“恋とはなんぞや”ということを探究していく「恋は光」の物語にちなみ、神尾と西野がそれぞれにとっての恋の定義を問われる。2人は取材で何十回と同じことを聞かれているそうで、神尾は「聞かれすぎて見失いました(笑)」と苦笑いしつつも「その日のコンディションによって思うことが違って(恋の定義は)可変的なんだなと。今日思う恋の定義は『好意の延長線上にあるもの』かなと思います」と回答。西野も「私が今日考える定義は『その人と会ってなくてもその人のことを考える時間があること、美味しいものを食べたときやきれいな景色を見たときにそれをこの人にシェアしたいと思うこと』かなと思いました」と述べる。その後、司会から提示された「気が付いたら目で追っている」「その人の夢を見てしまう」「一緒に映画を観たくなる」という3つのシチュエーションに対して、神尾らが恋か否かを判定するコーナーもあった。
終盤には3人がそれぞれ観客にメッセージを送る。小林監督は「世の中いろいろありますけど、恋はそんな中でも人を活性化させてくれる、きれいで美しい感情だと思っていて。『皆さんの光になってくれるような映画になれればな』と思って一生懸命作りました」と作品に込めた思いを吐露。西野は「きっと観終わった後にあの人にも観てもらいたいなとか、一緒に観た人と感想を言い合いたいなと思える明るい作品になっていると思います。あとはロケーションが最高で、どのシーンからも夏が感じられる素敵な映像なので、それも感じていただけたら」と述べる。最後に神尾が「登場人物の4人がみんな個性的。観終わった後はみんなのことを好きになって帰ってもらえるんじゃないかと思うので、全員を応援しながら観てください」と見どころを伝え、イベントは終了した。
(c)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会