浦沢直樹が、第20回エアランゲンコミックサロンにおいてマックス&モーリッツ賞の特別表彰「生涯功労賞」を受賞した。
エアランゲンコミックサロンは、ドイツのエアランゲン市文化局が主催するコミックフェスティバル。約40年前から隔年で開催されているが、2020年の前回は新型コロナウイルスの影響により開催中止となっていた。マックス&モーリッツ賞はエアランゲンコミックサロンで授与される、ドイツ語圏でもっとも重要なグラフィック文学賞。コミックアートの芸術的および社会的認知に決定的な役割を果たし、さまざまな部門賞の中でもっとも権威ある賞が「生涯功労賞」とされている。
前回もノミネートされていたがイベントが開催中止となったため、今年改めて打診を受け、「生涯功労賞」を受賞することになった浦沢。なお浦沢は2014年に「BILLY BAT」にて同賞の「ベストインターナショナルコミック」部門賞を受賞しており、今回の「生涯功労賞」は日本の作家として初めて獲得する。浦沢からは喜びのコメントも到着した。
浦沢直樹コメント
このたびはドイツ エアランゲン マックス&モーリッツ賞 特別表彰「生涯功労賞」という大きな賞をいただき心から嬉しく思います。
ドイツは「MONSTER」という作品の舞台でもあったことから、何度か取材に訪れ、とても親近感を持っていました。
日本人の私がドイツを描き、それをドイツの方々が読むというのは、描き手としてはとても無謀なチャレンジに思えましたが、温かく読んでいただき、今回このような素晴らしい賞をいただくほど、私の作品に親密に接していただいたことが何より嬉しいです。
このような形で世界的な交流ができたことを大変誇りに思います。
賞の関係者の皆様、そして私の作品を愛してくださったドイツの読者の皆様、本当にありがとうございます。
まだまだ描き続けます。
浦沢直樹