「ククルス・ドアンの島」メカシーンを語る安彦監督コメントと先行カットが公開

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」より、メカアクションシーンの先行カット。

劇場アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」より、メカアクションシーンの先行カットと、そのこだわりを語る安彦良和監督のコメントが公開された。

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」ではメカ描写が3DCGで表現され、モビルスーツ同士の地上戦もふんだんに盛り込まれる。その中でも異彩を放つククルス・ドアンのザクについて安彦監督は「彼の乗るザクが特別であるわけはないと僕は思っていたんです。テレビでも普通のザクでしたし。でも、モビルスーツのデザインを担当してもらったカトキ(ハジメ)さんは非常に思い入れがあるらしくて、やっぱりどこかがほかのザクとは違う、ただならぬ雰囲気があったほうがいいと力説されたんですよね。彼の言葉を借りると〈異形のザク〉なんだと。カトキさんが映画のために描いたドアンのザクは、だいぶくたびれて壊れていて、頭もいびつで鼻が長い。いろいろ修理したんでしょうけど、それで異形になるのもおかしいと思えたけど、確かにそのほうが雰囲気が出ていいんですよね。理屈を超えたカトキハジメさんのこだわりをいただいたということです」と語った。

また、サザンクロス隊が乗り込むことになる高機動型ザクは、大河原邦男がこの映画のためにデザインしたオリジナルの機体になっている。その動きについては「ザクっていうのは地球では基本的にノッシノッシと歩くキャラクターなんです。地上で動きが素早いモビルスーツとなると、どうしてもドムが頭に思い浮かぶんです。あいつらはホバークラフトでスライドするような動きが得意で速い。でも、ドムが出てくるにはちょっと時期が早いなと。それで大河原さんには『ドムの前の世代にあたるようなザクを作ってくれませんか』とお願いをしたんですよね。脚にノズルが付いていて浮力が発生して動くんですけど、具体的なイメージをどうお伝えすべきかちょっと悩ましかったんです。それで思いついたのがスケーターの動き。大河原さんにそれをお伝えして、その登場シーンの絵コンテを担当してもらった副監督のイムガヒさんにも『スケーターの動きを意識してください』とお願いしました。そこのシーンは割といい感じに仕上がったんじゃないかなと思います」と、スケーターから発想を得たと明かしている。

またアムロ・レイが操縦するRX-78-02ガンダムについては「この映画はなんと言っても『THE ORIGIN』でお見せできなかったガンダムが活躍する話ですから、どうやったらカッコよく登場させられるかにも、けっこう気を遣ってます。僕は世代が古いものですから、昔の任侠映画のノリが欲しいと思っていたんですよね。この映画のガンダムは、高倉健さんというより鶴田浩二さんだねって言ってます(笑)。とは言っても物語の中心はドアンでありドアンのザクなので、ガンダムの活躍は限られてます。アムロも制約の多い状況下に置かれることになりますからね。その限られた登場シーンでいかにガンダムをガンダムらしく見せられるか。最近は宇宙空間で光モノが派手に飛び交うような戦闘が多いと思うんだけども、今回はローテクっぽく、まさに大地に立って戦う作品になっています」と語り、宇宙空間での戦闘描写が多いガンダムの地上戦を意識したという。

なお本日4月15日20時からは、TVアニメ「機動戦士ガンダム」第15話「ククルス・ドアンの島」の同時視聴キャンペーンが開催される。YouTubeのガンダムチャンネルでは同時間より特別配信を行い、その時間帯にTwitterでは安彦監督描き下ろし“超ティザービジュアル”のミニ複製ポスターが当たるプレゼント企画も開催。詳細は「ククルス・ドアンの島」公式Twitterアカウントの告知などで確認を。

劇場アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」

2022年6月3日(金)全国ロードショー

スタッフ

企画・製作:サンライズ
原作:矢立肇富野由悠季
監督:安彦良和
副監督:イムガヒ
脚本:根元歳三
キャラクターデザイン:安彦良和、田村篤、ことぶきつかさ
メカニカルデザイン:大河原邦男、カトキハジメ、山根公利
総作画監督:田村篤
美術監督:金子雄司
色彩設計:安部なぎさ
撮影監督:葛山剛士、飯島亮
CGI演出:森田修平
CGI監督:安部保仁
編集:新居和弘
音響監督:藤野貞義
音楽:服部隆之
配給:松竹
製作:バンダイナムコフィルムワークス

キャスト

アムロ・レイ:古谷徹
ククルス・ドアン:武内駿輔
ブライト・ノア:成田剣
カイ・シデン:古川登志夫
セイラ・マス:潘めぐみ
ハヤト・コバヤシ:中西英樹
スレッガー・ロウ:池添朋文
ミライ・ヤシマ:新井里美
フラウ・ボゥ:福圓美里

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