十日草輔原作によるTVアニメ「王様ランキング」のステージが、東京・東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 2022」内で去る3月27日に実施された。
ボッジ役の日向未南、カゲ役の村瀬歩、ダイダ役の梶裕貴、ヒリング役の佐藤利奈、ドーマス役の江口拓也、ホクロ役の山下大輝、デスパー役の櫻井孝宏が登壇。2021年10月より2クールにわたって放送され、3月24日に最終回を迎えた「王様ランキング」。その熱も冷めやらぬままにトークができるイベントとあって、村瀬は「皆さん観てくれました?」と観客に声をかける。また「王様ランキング」のイベント初参加となった櫻井は「初めてなので絶賛探ってます(笑)。」とやや緊張気味に語る。
最終回を迎え、日向は「やっぱり寂しいです。毎週木曜日の深夜に声優陣や制作の方々がリアルタイムで盛り上がっていたので、それがなくなると思うと寂しい」と心境と吐露。「でも23話が大好きだったので、早く全国民に観てほしかったです(笑)」と笑顔を浮かべた。また日向が毎週のように自身のTwitterで公開していたイラストについて、梶は「めちゃくちゃ上手だよね!」と絶賛。日向は恐縮しつつも梶からのリプライがうれしくてスクショを撮っていたと明かし、観客の笑いを誘う。
村瀬は「改めて絵の力ってすごいんだなって感じました。アフレコの時点では線の状態だったのが色鮮やかになって、劇伴も素敵だし、役者のいいもの作ろうって力が高まっていたので、放送を観て泣きそうになって(笑)」とコメント。また梶は「ダイダ役でオーディションを受けたはずが、ほとんどボッス状態だったような気もしつつ(笑)、そんな紆余曲折あった彼を演じるのが苦しくもあり、楽しくもありました。どのキャラクターにもちゃんとドラマが用意されていて、毎週ドキドキワクワクしながら現場に行っていましたね」と振り返る。さらに佐藤は「ここに来る最中も観ながら、泣きながら電車に乗っちゃったんですけど(笑)。本当に愛が詰まっていて、素敵な作品に携わらせていただけて、お礼を言いたいです」と思いの丈を語った。
アニメ化以前から同作のファンだったという江口は「もう大感動ですね。『王様ランキング』という作品は何度楽しませてくれたら気が済むのかと。もう怒りに近い感情が湧き上がってくるぐらい、何度も楽しませていただきました」と感無量の様子。続く山下も、もともと原作ファンだといい「いやー……。もうね、どうしようかと」と言葉をつまらせると、梶が「感情が昂ると、みんな怒るシステムなのかな?(笑)」とツッコミを入れる。そんな山下は「自分でもよくわからない感情。うれしいような悲しいような。一緒に冒険してきたかのような気持ちで、感無量です」と明かす。そして櫻井は「大人な作品だなと思いました。絵はかわいいけど難しい題材。でも歳を重ねたなりに共感できるところがあり、デスパー役をもらえたのはうれしかったです。素晴らしい経験だった」と振り返った。
そしてイベントでは、「演じたキャラクターになんと声をかけるか」をテーマに、用意していたフリップでトークを展開。「私はあなたのことがとても好きになりました」と書いた櫻井は、「この人ビジュアルの情報が強すぎるし、お金好きとかめちゃくちゃ弱いとかが目立っちゃって、最初はそれを材料にお芝居していたんですけど、演じているうちにすごい大人だなと」とデスパーを演じた感想を語る。さらに「一緒に飲みたいなって思えるキャラクター。(キャラクターを)好きになる感覚って珍しいというか、久しぶりなので、こういう言葉をかけたいなと思いました」と説明する。
「キミの王様は?」という問いかけの言葉を書いたのは山下。「ホクロの中には『王様ってどういうものなんだろう』って思いがずっとありました。そんな中で、最後の最後に自信を持ってボッジ様万歳!って言えたのが印象的で。きっとそれぞれの中に王様がいるんだろうなと」と自分なりの思いを伝える。続く江口は「学び進め弱く優しい人よ」と書き、「ドーマスは間違いだらけ。忠誠心が強すぎるが故に頭でっかちになったり、根本的に国を守りたいっていう優しい気持ちはあるけど、一つ間違えるだけでとんでもない行動を取ってしまう」と語ると、村瀬から「本当ですよ!許されないですよ?」とツッコミが。さらに江口は「でもその間違いを正してくれる友がいて、許してくれる器の人間がいて」と続け、ドーマスに人間味を感じたと明かす。
佐藤が書いた言葉は「愛と守ることを教えてもらいました」。「ヒリングはキツい性格の女性だけど根底には深い愛があって、いつも一生懸命。キツイことを言うけどちゃんと反省して謝ることができる、その人間らしさにとても惚れ込んでしまって」と語る佐藤は、さらに「人間って年を取れば取るほど間違いを認めるのが難しくなるけど、トライアンドエラーしていいんだよってことを教えてくれた作品」と「王様ランキング」の魅力を熱く語る。また「共にリスタートだ。」という言葉を書いた梶は、「”完璧な人間”なんていないわけで……強い人がいたとして、それが正しいかどうかは別の話。過ちを犯しても、やり直す意志があれば、人は変われるということを教えてくれました。支えてくれる人が必ずいるんだということも」と作品についての思いを述べ、「今のダイダなら、みんなを幸せに導ける王になれるんじゃないかな、と思って書きました」と説明した。
「カンチョ~~~!!! は優しめに」と、カゲのイラストとともに書いた村瀬は、「お前それダメだろって(笑)」と語り観客の笑いを得ながらも、「カンチョーはテレが入って書いちゃいましたけど、僕もカゲに勇気をもらえて。人間関係の大事さとか付き合い方って数値化できるものでもないし、そのときに感じた感覚や思いを大事にしていくことを学びましたね」と述べる。さらに村瀬はボッジへのメッセージも用意しており、「もち肌がかわいすぎた…おつかれ~~」と書いたフリップを手に、「普段の動いてるときももちもちでずっと触りたいなって思ってた」と明かすと、梶も「そういうグッズ出してほしいよね、、『ボッジのほっぺ』みたいな(笑)」と同意し盛り上がる。
そして最後、日向は「すきです。」という言葉でボッジへの思いを表現。「自分はボッジの声優なんですけど、特大感情がありすぎて……。ボッジの限界オタクなので、いろんな感情を固めて固めて好きですって伝えたいなと」と話すと、村瀬に「アフレコのとき、いつも『ボッジ、カッコいい』って言ってるからね」と指摘される。さらにカゲに対するメッセージとして「ありがとうございます。」という言葉を用意した日向は「カゲに対してはボッジ目線で見ちゃうことが多くて、今までボッジをありがとうございます、これからもよろしくお願いいたしますっていう……」と説明すると、梶は「ボッジの親なのかな?(笑)あまりにも推しが尊いと、そういう感情になっていくんだろうね」と微笑ましく見守っていた。
また本日のステージでは、7月10日に東京・東京国際フォーラムで開催されるイベント「TVアニメ『王様ランキング』Special event~Summer Festival~」のビジュアル、ロゴが解禁に。普段の装いとは異なるマリンルックスタイルのキャラクターたちに、キャスト陣も驚きの声を上げる。そして最後、日向と村瀬の合図で、全員で「ありがとうございました!」と声を合わせ、イベントは幕を閉じた。
(c)十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会