目黒あむ原作による実写映画「honey」の撮影が、5月下旬に神奈川・鎌倉女子大学高等部の岩瀬キャンパスにて行われた。コミックナタリーでは撮影現場の様子をレポートする。
日差し照りつける中、校舎の中庭には鬼瀬大雅役の平野紫耀と小暮奈緒役の平祐奈が登場。まずは鬼瀬が自分で作ってきたお弁当を奈緒に差し出し、実は料理が好きだという意外な一面を打ち明けるシーンを撮影していく。カメラが回っていない間、平はお弁当の中身をスムーズに口に運べるよう、包みや蓋を何度も開け閉めして確認。いざ本番になると、奈緒のセリフ回しに監督から指摘が入る。平は優しくほんわかとした奈緒の性格を表現するため、声の高さや速度を変え、何度もテイクをこなしていった。
その後、人付き合いが苦手な転校生・西垣雅を演じるSUPER☆GiRLSの浅川梨奈が撮影に参加。鬼瀬と雅が中庭のベンチに座り、それを校舎の窓から奈緒が不安げな様子で見つめるというシーンに入る。平のときと同様、ここでも鬼瀬が作ったという設定のお弁当を手に持つ平野。遠くの取材陣にお弁当の中身を見せたり、小道具として脇にあった自身がCM出演する炭酸飲料をアピールしたりして現場を和ませていた。
以上の撮影が終わり、次は生徒たちの登校シーンへ。中庭には平野と平に加え、鬼瀬の親友・三咲渉役の横浜流星と、奈緒のクラスメイトでクールな美少女・矢代かよ役の水谷果穂が現れる。みんなで教室へ走って向かうシーンの撮影で、リハーサルの段階からキャスト陣は全力疾走。現場にはキャストたちの笑い声が響き渡り、撮影は賑やかに行われた。
撮影の合間には、平野、平、横浜が取材に出席。平野はオファーを受けたときの心情について、「原作『honey』のファンがいるので(僕で)大丈夫かなって思っていたんですが、それを上回るぐらいのうれしさがありました」と振り返る。また鬼瀬との共通点を聞かれると、「鬼瀬くんは、(自身の)“まんま”って言われるんですよ。平野の睨むバージョン……?みたいな」と回答。すかさず平が「強いバージョン!」とフォローを入れる。平野は強面だが心は乙女な鬼瀬について、天然な部分が自分と似ていると感じているとのこと。鬼瀬の印象を、「かわいらしくてピュアで……でも、いざというところはカッコいい男だなと思いました」と語った。
平は、奈緒役を演じることに対し「少女マンガのヒロイン役は初めてだったので、『ああ、この世界に入れるんだ』ってすごくうれしかったです。ただ奈緒ちゃんっていう女の子は、本当に純粋でまっすぐで、全部の表情がかわいいので、演じることに不安がありました」と率直な思いを吐露。「でも今は楽しんでやっています」と続けながら、役作りについて「奈緒ちゃんに似せるために髪を20cm切って、人生初の茶髪に染めました。演技は監督と相談し、ところどころ変な顔をしたり、ふわふわした口調にしたり、手に力を入れる癖を作ったりなどして工夫しました」と明かした。
かわいらしいが、毒っ気のある三咲役を演じる横浜。「見た目で意識したことは?」と質問されると、「自分で言っちゃうのもなんですが……眉毛がしっかりしてるので、眉毛を全部隠しました」と照れまじりに答える。演技に関しては「声は高めのトーンを意識して、立ち振る舞いもオーバーリアクションをとるようにしてます」と述べ、「『かわいく、子供っぽく』を研究していました」と語った。
また取材中には、平野と平の“ひらひらコンビ”がコントを披露する一幕も。2人は「はい、どうもー! 2人合わせて、ひらひらコンビです!」と登場し、平の無茶振りで平野が「いないいない、ばあ! いないない、ばあ! いないいなーい、あれっ? いない!!」という一発ギャグを披露する。平野は「普段はこんなんじゃないんですよ! グループ(Mr.KING)内ではクールなんですよ!!」とタジタジ。キャストとスタッフで仲睦まじく撮影が行われていることがわかり、取材は温かな雰囲気で幕を閉じた。
別冊マーガレット(集英社)にて連載されていた「honey」は、両親を亡くし叔父と2人で暮らすビビリでヘタレな女子高生・小暮奈緒と、強面ながら心は乙女の鬼瀬大雅が織り成す青春ラブストーリー。映画は2018年3月31日に全国公開される。