映画「鬼滅の刃」成長した禰豆子に下野紘メロメロ、花江夏樹「お兄さんと呼ばないで」

アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」公開記念舞台挨拶の様子。下段左から松岡禎丞、鬼頭明里、花江夏樹、下野紘。上段左から外崎春雄監督、平川大輔、日野聡、LiSA。

吾峠呼世晴原作による「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の公開記念舞台挨拶が、本日10月17日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。

舞台挨拶には竈門炭治郎役の花江夏樹、竈門禰豆子役の鬼頭明里、我妻善逸役の下野紘、嘴平伊之助役の松岡禎丞、魘夢役の平川大輔、煉獄杏寿郎役の日野聡らキャスト陣と、主題歌「炎(ほむら)」を歌うLiSA、外崎春雄監督が登壇。鑑賞を終えたばかりの観客に、花江が「楽しんでいただけましたか?」と尋ねると、客席から大きな拍手が上がる。それを聞き、花江は「本当に魂が震えて、心が燃えるような、そんな映画でしたね。もう言葉じゃ表しきれないような、僕も観たときにしばらくうまく歩けないくらい泣いてしまって。それくらい感動しました」と思いを口にする。

また花江は劇場版で炭治郎を演じるにあたり意識したことについて「炭治郎にとって何が原動力になっているかというと、禰豆子を人間に戻したい、家族の仇を討ちたいという思いで鬼と戦っているので、その気持ちを絶やさないようにして演じました。今回の魘夢はひどい夢や幸せな夢につけこんで炭治郎たちを追い込む血鬼術を使っているので、より炭治郎としては怒りの気持ちが無限列車では爆発していたんじゃないかと思います」とコメント。鬼頭は「今回の物語では、禰豆子のかわいらしいシーンがとてもいっぱいあって、とにかくかわいく演じました。でも、禰豆子が寝ている皆を起こすシーンでは、禰豆子がいなかったらどうなっていたかわからないくらい素晴らしい活躍を見せていましたし、禰豆子の成長もすごく感じられましたね」と話す。下野は禰豆子の魅力を聞かれると、即答で「いつでもかわいいんですよ! 夢の中の禰豆子ちゃんは最高でしたね! どこに出ししても恥ずかしくない! (花江に向かって)お宅の妹さん最高よ!」と絶賛。しかし花江は「いやー、ありがとうございます。でもお兄さんとは呼ばないでください!」と返し、炭治郎と善逸のような息の合った掛け合いに会場からは笑いが起こった。

松岡が「やっぱりTVシリーズの延長線上で、みんな仲良くなってからの物語だったので、とても仲のよさが出ているなと感じました」と話すと、花江も炭治郎と伊之助の共闘シーンに対し「2人で呼吸を合わせてがんばりましたね。列車の上で戦っているので、基本2人とも声を張りっぱなしなんです。いつ声がなくなるかと思ったくらいで。予想していた以上にアクションシーンが激しかったので、大迫力でした。2人で気合いを入れてとったシーンなので、完成版をみてうれしかったです」と述べる。劇場版で初めて任務に挑む姿が公開となった煉獄について、日野は「まず煉獄といえば、独特の個性といいますか、そちらを強く意識する場面が『うまい!』と言うところですね。煉獄の独特の個性をしっかりと出して、観客の方にまずは笑顔になっていただくというところを意識しました。そして煉獄としては技を見せるのが今回初でしたので、柱としての強さやカッコよさ、頼もしさを炭治郎たちに見せるというところを心がけていました」とコメント。続けて、煉獄の戦いについては「迫力のある技の応酬で、自分も見ていて圧倒されました。煉獄っていつも目を見開いて一見何を考えているかわからないのですが、裏では頭の中で何手も先を読み、状況判断する優れた能力の持ち主でもあり、柱としての頼もしさが濃密に描かれていたと思います」とその魅力を熱く語った。

さらに炭治郎たちが今まで対峙した鬼を超える、史上最強の敵・魘夢を演じた平川は「綺麗な見た目に反して、魘夢は外道なので(笑)。彼の歪さとか、嗜虐性と冷静さのアンバランスな感じが出せたらいいなと思い、収録に臨みました」とコメント。花江も「どこか夢心地というか何を考えているのかわからない怖さが平川さんの演技から伝わってきました」と平川が演じる魘夢を絶賛し、「不気味さが詰め込まれていたので、戦っていてものすごい強敵だなと思いました」と魘夢との激闘を振り返った。

外崎監督からは「列車の中に炭治郎たちが乗り込んだときは、とても刀を振れるような広さではないんです。なので煉獄が鬼と戦うときに照明を少し暗く落として、みんながわからないように列車の中を広くしているんです」と作画のこだわりも。主題歌を担当したLiSAは、映画について「始まった途端に、皆が返ってきた!という感覚になり、ひと泣きしました(笑)。楽しく戦いに向かっているシーンで笑って、最後に向かっていくにつれて、皆さんが魂を吹き込んだキャラクターや素晴らしい映像・BGMに没頭して、完全に涙してしまいました」と熱弁する。「炎」に対しては「何度も原作を読み返して、梶浦(由記)さんに自分の想いを伝えたりしながら制作させていただきました。実際に見たら、自分が思い描いていた歌詞のフレーズを思い出すシーンがすごく多くて、そこも大切に映像の中に盛り込んでいただけているなと感じて、とてもうれしかったですね」と語った。

最後には、「「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が多くの人の心に届くことを願って、全集中!」という花江の声を合図に、煌めく水色と赤色のテープが舞う。外崎監督は「皆さんに、無事この作品を届けられたことに、ホッとしています。キャストの方だけでは無く、数えきれないさまざまなセクションの制作スタッフが、よりよいものを届けようと、一丸となってがんばって作り上げた作品なので、是非受け取ってもらえたらうれしいです。皆様に長く愛される作品になればいいなと思いますので、ぜひこれからも楽しんでください」と、花江は「僕自身役者として、『鬼滅の刃』のいちファンとして、大好きな無限列車編が劇場で観られる感動をやっと味わうことができて、本当にうれしく思います。劇中で煉獄さんから炭治郎たちにかけられた言葉がより多くの皆さんに伝わればいいなと思っています。みんなの力が合わさってできた映画だと思っておりますので、これからも応援のほう引き続きよろしくお願いします。我々は心を燃やして頑張っていきたいと思います! ありがとうございました!」と締めくくり、イベントは幕を閉じた。

「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」

2020年10月16日(金)全国公開

スタッフ

原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
コンセプトアート:衛藤功二、矢中勝、樺澤侑里
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝、アニプレックス

キャスト

竈門炭治郎:花江夏樹
竈門禰豆子:鬼頭明里
我妻善逸:下野紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
煉獄杏寿郎:日野聡
魘夢(下弦の壱):平川大輔

※禰豆子の禰はネに爾が正式表記。
※煉獄杏寿郎の煉は火へんに東が正式表記。

(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable