「進撃」七つの掟、「空青」生原画…アニメスタジオのリアルを伝える5社合同展

WIT STUDIOのコーナーより、「進撃の巨人」の展示。(c)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

アニメーションの制作現場にフォーカスした展示イベント「アニメスタジオミーティングvol.2」が、12月8日までの期間限定で、東京・東京アニメセンター in DNPプラザにて開催されている。

WIT STUDIO、MAPPA、CloverWorks、コミックス・ウェーブ・フィルム、GRIZZLYの5社が一堂に会する本イベント。入り口すぐのところには、アニスタチームからの「アニメスタジオから見える景色を変えたい」という主張、そしてアニメファンに対する感謝のメッセージが掲示された。その後の導入セクションではアニメができるまでを追った制作フロー、どんな人々が関わっているのかを示したキャリアパスをパネル展示。アニメ業界の仕事の流れ、関わっている人数の多さ、各スタッフの役割などが把握できるようになっている。

ここからは各スタジオごとの展示に。先陣を切るコミックス・ウェーブ・フィルムのコーナーでは、新海誠監督作品の「言の葉の庭」、「君の名は。」、そして最新作「天気の子」を複製原画、絵コンテなどで紹介。見渡す限りに広がる雲海と、それを上空から見下ろす陽菜の姿が描かれた「天気の子」のビジュアルを、ダイナミックに味わえる大判パネルも用意された。また新海監督以外の作品として、中国の3都市を舞台に描かれた青春アンソロジー「詩季織々」、山本蒼美監督による「この男。」シリーズ、CGコメディ「Peeping Life」シリーズを映像やビジュアルで紹介。同社が扱う作品の幅広さを伝えている。

続くCloverWorksのコーナーでは、公開中の映画「空の青さを知る人よ」より、キャラクターデザイン・総作画監督を務めた田中将賀の生原画をたっぷりと公開。その隣には同じく公開中の映画「冴えない彼女の育てかた Fine」の複製原画が並べられている。さらに「青春ブタ野郎」シリーズの展示、「抱かれたい男1位に脅されています。」の展示でも多数の生原画を披露。「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」のスペースではオープニングの複製原画、エンディングの場面カットなどがお目見えした。

MAPPAのコーナーに入ると、先行公開されている「ゾンビランドサガ」の新曲「佐賀事変」のフルMVがお出迎え。「かつて神だった獣たちへ」、「GRANBLUE FANTASY The Animation Season2」という最新作の展示に続いて、2020年1月放送開始の「うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~」と「ドロヘドロ」、全世界で累計9000万ダウンロードを記録しているスマートフォン向けゲームが原作の「恋とプロデューサー」と、放送前の注目タイトルの資料までもが展示された。ボーイズラブ作品の制作に特化したスタジオ・GRIZZLYからは、劇場アニメ「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」の設定資料、生原画が披露されている。

WIT STUDIOのコーナーは「進撃の巨人」と「甲鉄城のカバネリ」の総監督を手がける荒木哲郎にフォーカス。「進撃の巨人 作画時七つの掟」「カバネの殺し方講座」など、実際に社内で使われているという貴重な制作資料を初公開し、細かなこだわりや作品制作への情熱を伝えている。また「ヴィンランド・サガ」の複製原画、キャラクター設定もお目見え。文化庁若手アニメーター等人材育成事業「あにめたまご2019」の企画作品として制作された「Hello WeGo!」のセクションでは、クリップ留めされた複製原画を自分の手でパラパラとめくれる体験展示が用意された。

会場内では各スタジオのクリエイターへの撮り下ろしインタビュー動画も上映。各スタジオのロゴステッカーがランダムでもらえるクイズ企画も実施されている。また会期終盤となる12月7日・8日には、各スタジオによる会社説明会と、制作スタッフやクリエイターにスポットを当てたトークイベントを開催。詳細は公式サイトにて確認を。

「アニメスタジオミーティングvol.2」

会期:2019年11月2日(土)~12月8日(日)※毎週火曜休館
時間:11:00~20:00(最終入場19:30)
会場:東京都 東京アニメセンター in DNPプラザ
料金:一般1000円、学生800円、小学生以下500円、未就学児無料