映画「空青」長井龍雪監督は吉沢亮の声の演技に太鼓判「心の準備をしてほしい」

左から長井龍雪監督、種崎敦美、若山詩音、吉岡里帆、吉沢亮、松平健、落合福嗣、大地葉。

映画「空の青さを知る人よ」の完成披露試写会が、本日9月17日に東京・イイノホールで開催された。上映前に行われた舞台挨拶には監督の長井龍雪、キャストより吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音、落合福嗣、大地葉、種崎敦美、松平健が登壇した。

10月11日に公開される「空の青さを知る人よ」は、岡田麿里が脚本を、田中将賀がキャラクターデザイン・総作画監督を手がける長編アニメーション作品。ミュージシャンを夢見る女子高生・あおいと、姉のあかね、あかねの元恋人の売れないギタリスト・金室慎之介、そして13年前から時間を超えてやってきた18歳の慎之介である“しんの”による、不思議な四角関係を描く。長井監督は本作のテーマについて「1つは姉妹愛。1つは過去の自分との対峙。わりと地味な、地に足の着いた話になっていると思います」とコメント。また「今まではTVアニメの延長で作っていたようなところがありましたが、今回は映画らしさを意識して作らせていただきました」と続けた。

31歳の慎之介と18歳の“しんの”、双方を演じた吉沢は「僕は(長井監督作の)『あの花』も『ここさけ』もすごく好きで、参加させていただけて光栄でありつつ、作品の邪魔をしちゃいけないなってプレッシャーもありました」と初めての声での演技に対し不安もあったと語る。しかし長井監督は「何をおっしゃる、という感じですね。観る方は本当に驚かれると思うので、心の準備をしてほしいくらい。期待してもらって大丈夫です」と太鼓判を押した。また吉沢は本編の中で主題歌である「空の青さを知る人よ」を歌うシーンがあるが、「あいみょんさんの歌う主題歌だって知らなくて、予告を観て『先に言って!』みたいな(笑)」と裏話を披露。姉・あかねを演じる吉岡は長井監督作品の魅力を「忘れたくなかったな、と思うような気持ち、時間が経つと忘れてしまうような記憶が、アニメーションに鮮明に閉じ込められている」と語り、妹・あおいを演じる若山は「あおいのいいところをどうやって生かそうか考えるのは、本当に難しくて。いろんなアニメを観て勉強してから臨みました」と振り返った。

あかねの同級生である“みちんこ”こと中村正道役の落合は、「アフレコのときはみちんこと同じ31歳で、彼にも僕にも子供がいて、シンクロする部分がいっぱいあったんです。31年間生きてるとそれなりにいろいろあるものでして、そういうのが伝わればなと思って演じさせていただきました」と話す。その正道の息子である“ツグ”こと正嗣役の大地は、「歳は一番下なのに、一番落ち着いている大人なキャラクター。でも垣間見える年相応な部分に、キュンキュンしていただけると思います」とアピールした。

種崎演じるあおいの同級生・大滝千佳は、慎之介へアプローチをかける少しおませなキャラクター。「大切な人に本当の気持ちが言えなくて悩むキャラクターが多い中、彼女はそうでもないので、しゃべるというより反応しようと思って演じておりました」と種崎が話すと、長井監督は横でうなずき「本当に素直なキャラクターなので、そのままやっていただけてありがとうございました」と隣の種崎に頭を下げる。そして長井監督の熱烈なラブコールにより大物演歌歌手・新渡戸団吉を演じた松平は「空気の読めないマイペースなキャラ」と新渡戸を評し、長井監督は「新渡戸さんの登場シーンは最初の見せ場なので、楽しんでいただければ」と呼びかけた。

最後に吉沢は「どの世代の方が観ても切なくなるし、刺さると思うんですが、最後はポジティブな気持ちで帰っていただけると思います」とメッセージを送り、吉岡は「自分の大事な場所をちゃんと大事だと言える尊さを、この作品からとても感じました。自分にとって何が一番大事なものなんだろう、と考える時間になったらとても素敵だなと思います」とコメント。そして長井監督は「月並みではありますが、脚本の岡田麿里、キャラクターデザインの田中将賀とともに、スタッフ一同精一杯、心を込めて作らせていただきました。皆さんに楽しんでいただければと思います」と短いながらも真摯な言葉で挨拶し、舞台挨拶を締めくくった。

映画「空の青さを知る人よ」

2019年10月11日(金)全国東宝系で公開

原作:超平和バスターズ
監督:長井龍雪
脚本:岡田磨里
キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
制作:CloverWorks
製作:アニプレックス、フジテレビジョン、東宝、STORY
配給:東宝
出演:吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音、落合福嗣、大地葉、種崎敦美、松平健

※種崎敦美の崎は立つ崎が正式表記。

(c)2019 SORAAO PROJECT