板垣巴留が東武動物公園の1日園長、ペンギンにくちばしを噛まれ虎には腰を抜かす

板垣巴留が被っているレゴムの被り物のくちばしに噛み付くペンギン。

「BEASTARS」の板垣巴留が、本日4月7日に埼玉・東武動物公園の1日園長を務めた。これは週刊少年チャンピオン(秋田書店)50周年記念として実施中の「BEASTARS」と同園のコラボレートの一環として行われたもの。

制服に身を包んだ板垣は、まず動物へのエサやりを体験。東武動物公園・下康浩飼育課長から各動物についての解説を受けながら、ヒグマ、カバ、象などにエサをあげていく。普段は「BEASTARS」に登場するレゴムの被り物を装着している板垣だが、一般客のいないバックヤードでは「もっとちゃんと見たい」と視界の悪い被り物を外し、動物を観察していた。

ペンギンにレゴムのくちばしを噛まれたり、白ヘビを首に巻いたりしながらエサやりをこなした板垣が最後に訪れたのは、ホワイトタイガーが飼われている檻のバックヤード。スタッフから促され、裏の窓を覗いた板垣はその迫力に押され、「うわーっ!」と声をあげて後ろに倒れてしまう。その後ホワイトタイガーにエサをあげる際も、悲鳴に近い叫び声をあげていた。

続いては板垣と下課長によるトークショーが行われる。エサやりについて振り返った板垣は「ペンギンとはわかりあえなくて……」と苦笑するが、下課長は「ペンギンは知らないものへの好奇心が強いので興味があるだけ。あれは恐怖心で噛み付いたわけじゃないですよ」と解説。またホワイトタイガーについて板垣は、「『ここにいますよ』って言われてちっちゃい窓から覗いて、目が合っただけで腰抜かしちゃって(笑)。檻を隔ててるのに、あの迫力はすごかった」と振り返った。

トークショー後には板垣が取材に応じた。エサやり体験については「結構ナメてましたね(笑)。学校では飼育係だったからその延長というか、あまり心構えをせずにきちゃったなと。まず動物たちのサイズにびっくりしました」と興奮気味に語った。

またトークショーに多くの観客が訪れたことについては「会場に到着したときは、園内に(同時期にコラボ中の)『けものフレンズ』のポスターばっかりで『帰りたい』と思ったんですけど(笑)。いざイベントになったら『BEASTARS』を読んでる人がたくさん来てくれてうれしかったです」と笑顔を見せる。

また「動物園に来たのはいつぶりか」と問われると「連載1年目以来。連載が始まってからは余裕がなくなってきました。久しぶりの動物園はかなりよかったですね」とコメント。1日園長については「動物園に普通にお客さんとして来るのとは違う、すごく貴重な体験ができた」と語り、ホワイトタイガーの迫力を至近距離で味わったことについては「これと同じエレベーターに乗り合わせたら……って想像しちゃって(笑)。『BEASTARS』でももっと日常における(肉食動物の)怖さを掘り下げてもいいかもと思いました」と、今後のマンガに活かせそうだという心境を明かす。さらに「カバにエサをやるとき、ずっと世話をしてきた下さんが石を叩いただけで、カバが近くに寄ってきたんですよ。そういうのを見ると『異種族間の信頼って築けるな』とも感じました。それを目の当たりにできたのはうれしかったですね」とコメントした。

「今後、もしも『動物園をプロデュースしてください』と依頼が来たら?」と質問が飛ぶと「そんなのは勘弁です(笑)」と笑いつつ「今回こうして動物園とコラボさせてもらったけど、『BEASTARS』の内容を考えるとそれだけで奇跡的なことかと思います。動物が動物を食べたりとか、やらしいことをしてる過激な描写があるマンガの作者を呼んでくれるっていうのは、内容がどうであろうが『作者が動物を好きなんだ』ってことを理解してくれているということなのでうれしいですね」と笑顔で語った。

「BEASTARS」と東武動物公園のコラボは5月26日まで実施中。期間中は描き下ろしイラストを使用した等身大パネルが園内に登場し、板垣が独自の視点から10種の動物について解説したパネルもそれぞれの動物舎に展示する。またコラボメニューの販売も行われ、主人公・レゴシの誕生日である明後日4月9日には、園内にあるカフェレストラン・コルネさんのパンケーキハウスにてホワイトタイガーパンケーキを注文した人に、レゴシのステッカーがプレゼントされる。

BEASTARS×東武動物公園

会期:2019年3月23日(土)~5月26日(日)
会場:東武動物公園

(c)板垣巴留(秋田書店)2017