ヒップホップは面白い!ヒプノシスマイク2ndライブ、木村昴を浅沼晋太郎が称賛

Buster Bros!!!とMAD TRIGGER CREW。(Photo by 粂井健太)

「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」のライブイベント「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 2nd LIVE@シナガワ《韻踏闘技大會》」が、昨日8月26日に東京・ステラボールにて開催された。

昨年11月4日に「アニメイトガールズフェスティバル2017」のステージの1つとして、東京・池袋サンシャインシティにて行われた「ヒプノシスマイク」の1stライブ。約9カ月ぶりとなる今回のステージには、山田一郎役の木村昴、山田二郎役の石谷春貴、山田三郎役の天崎滉平、碧棺左馬刻役の浅沼晋太郎、毒島メイソン理鶯役の神尾晋一郎、入間銃兎役の駒田航、神宮寺寂雷役の速水奨、伊弉冉一二三役の木島隆一、観音坂独歩役の伊東健人、飴村乱数役の白井悠介、有栖川帝統役の野津山幸宏の11名が出演した。

開演前、MC.B.Bこと一郎が「IKEBUKURO WEST GAME PARK」に乗せて注意事項を歌い上げる音声が流れると、早くも会場内は熱気に包まれる。照明が落とされ、イケブクロ・ディビジョンのBuster Bros!!!、ヨコハマ・ディビジョンのMAD TRIGGER CREW、シブヤ・ディビジョンのFling Posse、シンジュク・ディビジョンの麻天狼が順に登場すると、まずは同作のアンセムソングでもある「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem-」がドロップされ、ソロパートが切り替わるたびに大きな歓声が沸き上がった。そのままの勢いで「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」が披露されると、オーディエンスは各ディビジョンのイメージカラーが光る「ジュエルリングライト」をはめた手を天に掲げ、さらなる盛り上がりを見せた。

会場の温度が上昇する中、各キャストからの挨拶のコーナーへ。冒頭の2曲で、本日不在となった斉藤壮馬演じる夢野幻太郎のパートを、交代で歌唱していたFling Posse。白井は「お姉さーん! お兄さんも!」と手を振りながら観客に挨拶し、続く野津山もそれを真似して「お姉さーん!」と手を振る。白井が思わず「あっ!」と声を上げると、野津山は「……嘘ですけど」と、おなじみとなった幻太郎のセリフを付け加えてみせた。各キャストからの挨拶が終わると、ここで斉藤からのビデオメッセージが。映像、字幕、音声が合っていない状態の映像が流れ出し、一度はキャストと観客を困惑させながらも、その後は「ヒプノシスマイク」のグッズを身に着けた斉藤が映し出され、観客へのメッセージが贈られた。

ここからは各ディビジョンのパフォーマンスへ。トップバッターのBuster Bros!!!は、二郎の力強い「センセンフコク」で再び会場の温度を上げながら、「G線上のアリア」がサンプリングされた三郎の「New star」で会場の雰囲気を変える。その後、石谷と天崎と手を合わせたあと「俺が一郎」を繰り出した木村は、続けて「お袋のみんな、玉袋のみんな(Buster Bros!!!のファンの総称)、それ以外のみんなもこの1曲だけは、ここを西口公園だと思って聴いてくれないか」と観客へ語りかけると、石谷と天崎と輪になり「じゃあいつものやつやるか」と「IKEBUKURO WEST GAME PARK」を歌い始める。間奏では一郎のヒューマンビートボックスにひと際大きな歓声が上がり、二郎と三郎はコールアンドレスポンスで会場の一体感を作り上げた。

続くMAD TRIGGER CREWは、理鶯の「What’s My Name?」で幕開け。駒田はタバコの煙を吹かしながら銃兎の「ベイサイド・スモーキングブルース」を歌い、曲の終わりには浅沼とタバコの火を分け合う姿を見せる。左馬刻による「G anthem of Y-CITY」、MAD TRIGGER CREWによる「Yokohama Walker」が続き、会場をアダルティなヨコハマ色に染めると、浅沼は最後に「……ありがとよ」とつぶやき、観客からの歓声を受ける。ここで再びBuster Bros!!!が登場すると、2組はにらみ合いながら「Battle Season」の“First Battle”としてリリースされた「WAR WAR WAR」をパフォーマンスする。会場が一段と盛り上がりを見せる中、ステージにはゲストとしてEGOが登場。「Bounce」「PINEAPPLE JUICE」の2曲で観客を惹きつけた。

帝統の「3$EVEN」でスタートダッシュを決めたFling Posse。乱数の「drops」では、白井と野津山が飴を手にし、「Shibuya Marble Texture -PCCS-」ではここでも白井と野津山が2人で幻太郎のパートを担当する。アウトロではステージを縦横無尽に飛び跳ねながら、白井が「よーし、帝統ー! 今日は自撮りして遊ぼ!」と観客を背に撮影を試みるが、操作がうまくいかないまま曲が終わってしまい、「またこーんど!」と乱数らしいおちゃめな表情を見せてステージを去っていった。

4ディビジョンの最後を飾るのは麻天狼。一二三の「シャンパンゴールド」では約2000人のシャンパンコールが会場に響き渡り、曲中では伊東と速水に笑顔の木島がすり寄る場面も。独歩の「チグリジア」では一変して鬱屈した雰囲気が会場を包み込み、独白から始まった寂雷の「迷宮壁」ではその世界観に圧倒されたオーディエンスから拍手と歓声が沸き上がった。「Shinjuku Style ~笑わすな~」で麻天狼による“Shinjuku Style”を見せつけたあと、再びステージに現れたFling Posseとともに「Battle Season」の“Second Battle”として発表された「BATTLE BATTLE BATTLE」を歌唱。そして各ディビジョンのステージが終わると、2人目のゲストであるKEN THE 390がライブを展開。今月リリースされたばかりの「THINK!」から「Funk U Up」で会場をひとつにした。

イベントが終盤になり、キャスト11人がステージに集結すると、3つの新情報が発表に。12月より月刊少年シリウス、少年マガジンエッジ(ともに講談社)、月刊コミックZERO-SUM(一迅社)の3誌でコミカライズが始動すること、タニタ、サンリオそれぞれとのコラボレーションが告知される。新情報に歓声が沸き上がる中、会場には「ずいぶん盛り上げたようだな」と、内閣総理大臣補佐官及び警視庁警視総監、行政監察局局長である勘解由小路無花果の声が響き渡る。どよめきが起こる中、スクリーンには2階の中王区貴賓席からステージを見下ろす無花果役のたかはし智秋の姿が写し出され、「Battle Season」の決勝に進む2組のディビジョンが発表されることに。スクリーンには各ディビジョンの得票数が表示され、Buster Bros!!!は3万2812票、MAD TRIGGER CREWは3万2943票、Fling Posseは3万5479票、麻天狼は4万936票を獲得。抱き合いながら勝利を喜ぶディビジョン、悔やむディビジョンの姿が見受けられる中、“Final Battle”へ挑むことが決定したのはMAD TRIGGER CREWと麻天狼であることが発表された。

MAD TRIGGER CREWの浅沼は「正直、イケブクロが勝たなくてどうするんだと思っていました」と真剣な表情で切り出し、「(木村)昴はこの『ヒプノシスマイク』というコンテンツをずっと引っ張っていってくれました」と続けると、観客からは大きな拍手が巻き起こる。「ラップなんてやったことのない俺たちにずっと付きっきりで、ドラマパートに出てくるラップもずっと教えてくれました。こんな奴が勝たなくてどうするって、(MAD TRIGGER CREWの)2人には言えなかったけど、ずっと思ってました」と心境を吐露する。「でも、勝ったからには死ぬ気でがんばります」という決意とともに観客へ感謝を述べると、Buster Bros!!!のメンバーと握手し「絶対お前らの思いも持っていくぜ!」と宣言した。

麻天狼の速水も同様に木村に感謝を伝えながら、「ここに僕がいることも、最初は自分の中で違和感があったんだけど、だんだん“混ぜても危険じゃない”ところまでがんばってきたので」と振り返り、観客から温かな笑い声と拍手が贈られる。そして「本当にいいチームなので、これからもうちょっと戦っていきたいと思っています」と語った。

最後に各ディビジョンの代表から挨拶を求められると、Fling Posseの白井は「僕たちに勝ったんだから、シンジュクにはがんばってもらわないとねー」と、乱数らしい軽やかな口ぶりで麻天狼へエールを贈る。「でも1つ心残りがあるから……自撮りしよう!」と、先程失敗に終わった観客との自撮りを成功させつつ、「次は幻太郎も一緒にがんばるからね!」と観客へ約束した。

Buster Bros!!!の木村は「個人的なことかもしれないんですけど、ヒップホップに人生を変えられ、ヒップホップを好きでずっとこれまでやってきて。これだけたくさんの方が『ヒップホップが好きだ、面白い』と言ってくださってることに、ヒップホップ馬鹿の1人として本当に感謝します」と述懐。そして「ヒップホップ、面白いでしょ!?」と声を大にすると、観客から大歓声を浴びる。「悔しい思いもうれしい思いも、これもひっくるめてヒップホップなんです。ヒップホップってライフスタイルだから」と口にしながら、「悔しい思いも跳ねのけて、ラップで返します。これからも応援よろしくお願いします!」と挨拶した。そして最後にEGOとKEN THE 390が呼び込まれると、2人をあわせた全員で「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」のスペシャルバージョンが繰り出される。最後は出演者と観客とともに「PEACE!」と声を合わせて、2ndライブの幕が閉じた。

なおヨコハマ・ディビジョンのMAD TRIGGER CREW対シンジュク・ディビジョンの麻天狼による“Final Battle”のCDは11月14日にリリース。また11月17日には東京・お台場のZepp DiverCityにて3rdライブが開催される。

「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 2nd LIVE@シナガワ《韻踏闘技大會》」セットリスト

01. ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem- / Division All Stars
02. ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- / Division All Stars
03. センセンフコク / 山田二郎(CV:石谷春貴)
04. New star / 山田三郎(CV:天崎滉平)
05. 俺が一郎 / 山田一郎(CV:木村昴)
06. IKEBUKURO WEST GAME PARK / Buster Bros!!!
07. What’s My Name? / 毒島メイソン理鶯(CV:神尾晋一郎)
08. ベイサイド・スモーキングブルース/入間銃兎(CV:駒田航)
09. G anthem of Y-CITY / 碧棺左馬刻(CV:浅沼晋太郎)
10. Yokohama Walker / MAD TRIGGER CREW
11. WAR WAR WAR / Buster Bros!!! VS MAD TRIGGER CREW
12. Bounce~PINEAPPLE JUICE / EGO
13. 3$EVEN / 有栖川帝統(CV:野津山幸宏)
14. drops / 飴村乱数(CV:白井悠介)
15. Shibuya Marble Texture -PCCS / Fling Posse
16. シャンパンゴールド / 伊弉冉一二三(CV:木島隆一)
17. チグリジア / 観音坂独歩(CV:伊東健人)
18. 迷宮壁 / 神宮寺寂雷(CV:速水奨)
19. Shinjuku Style ~笑わすな~ / 麻天狼
20. BATTLE BATTLE BATTLE / Fling Posse VS 麻天狼
21. Funk U Up / KEN THE 390
22. ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-SPversion / All Cast