手塚治虫「ダスト18」単行本で大改変された幻の作品が、雑誌掲載時の内容で登場

「ダスト18」

手塚治虫「ダスト18」が初単行本化。本日7月13日に立東舎より刊行された。

「ダスト18」は、1972年に週刊少年サンデー(小学館)で発表されたSF作品。本来であれば人間がやって来ることはない世界に飛行機が迷い込み、生き物の命の源である生命の山に激突する。乗客の多くは死亡したが、砕けた生命の山のかけらの力で奇跡的に生き残った18名は人間界に帰還。その死ぬはずだった人々から生命の山のかけらを奪い返すため、異世界からの刺客が放たれたことから始まる物語だ。

同作は「ダスト8」のタイトルで単行本化されているものの、手塚自身の手で連載時の内容から100ページ以上に及ぶ改変がなされ、連載時の2話分を1話にまとめるといった構成の変更、キャラクターの表情やセリフの修正が行われており、物語の結末までがまったく異なるものになっていたことから、雑誌掲載時のバージョンが読みたいという声がファンの間では上がっていた。立東舎から刊行された「ダスト18」の単行本では、現存する原稿と掲載誌をもとに連載時の内容を再現。また未使用エピソードのネームや予告カットなども収録されている。