「UNDER THE DOG」にイシイジロウ「次があってもインディーズ魂は大切にする」

左から花房里枝(elfin')、瀬戸麻沙美、大久保瑠美、イシイジロウ、辻美優(elfin')。

去る6月23日、劇場アニメ「UNDER THE DOG Jumbled」の初日舞台挨拶が東京・新宿バルト9で開催された。

「UNDER THE DOG Jumbled」は、2014年にアメリカのクラウドファンディングサイト・Kickstarterで出資を募って制作されたSFアクションアニメ「UNDER THE DOG」に、ショートムービー「アンシアちゃん」と実写映像「Overture to UNDER THE DOG」を加えた劇場作品。上映後の舞台挨拶には主人公・アンシア役の瀬戸麻沙美、冬月ハナ役の大久保瑠美、原作を手がけたイシイジロウに加え、MCとして「アンシアちゃん」の主題歌を歌うelfin’が登壇した。

これまでクラウドファンディングの出資者など一部しか観られなかった「UNDER THE DOG」。そんな作品が劇場公開されたとあって、瀬戸も大久保も「2年以上前の収録時には考えられなかった」「映画館で観られてうれしい」と感慨深げ。イシイも「これだけすごいアニメーターさんや役者さんが参加してくれているのに、(多くの人に)観られないのはどうなのかと思いながら作っていた。ようやく日本のみなさんに観てもらえた」と喜ぶ。

印象に残っているシーンの話題では、瀬戸が戦闘シーンで戦車が爆発するところを挙げ「普通ならバーンとなって終わるのに、『UNDER THE DOG』だと燃えて鉄が熱くなり、黒くなっていくまで描写されている」と細かな表現を称賛する。これを受け、イシイは「ああいう爆発を描けるアニメーターさんは、日本でも数人しかいないくらい希少」とその職人芸を褒め称える。

「UNDER THE DOG」の今後について問われると、イシイは「本作はテーマ的にも映像面も今のテレビでは簡単に放送できない作品。でも1980年代や1990年代にはこういったアニメが存在していたし、今も観たい人がいると思っている」とコメント。続けて「次に何か展開するとしても、そういったオリジナルでインディーズな魂は大切にしたい」と誓った。

本作への思いは尽きないようで、最後の挨拶でもイシイは銃のリロード時の音や仕草など、細かなこだわりを紹介する。瀬戸や大久保も、2週間限定の上映期間や本作の特異な内容に触れつつ、本作を気に入ったらぜひSNSでその存在を広めてほしいと訴えていた。

「UNDER THE DOG Jumbled」

スタッフ

原作:イシイジロウ
監督:安藤真裕
キャラクター原案:コザキユースケ
作画監督:佐藤雅弘
コンセプトデザイン:草野剛
アニメーション制作:キネマシトラス×オレンジ
実写映像監督・テーマソングプロデュース:磯山敦
製作:キネマシトラス、エグジットチューンズ
配給:ポニーキャニオン

キャスト

アンシア:瀬戸麻沙美
冬月ハナ:大久保瑠美
七瀬俊一:内山昂輝
さゆり:高橋春香
エステラ:大空直美

(c) 2014 Jiro Ishii (c) 2014 Yusuke Kozaki (c) 2015 Under the Dog, LLC All rights reserved.