架空15・16号が同時発売、豊田徹也の未発表ネームやガロの表現検証など

架空15号

川勝徳重が責任編集を務めるマンガ誌・架空の15号・16号が同時発売される。5月4日に東京・中野サンプラザで開催されるまんだらけ資料性博覧会のスペース・73と、5月6日に東京ビッグサイトで開催されるCOMITIA120のスペース・O09aで販売。5月中旬からは模索舎、タコシェ、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)、ホホホ座など書店での取り扱いが始まる予定だ。

15号には「アンダーカレント」などで知られる豊田徹也の未発表ネーム「救う命は自分のかもしれない」が掲載。同作はフラナリー・オコナーの「生きのこるために(横山貞子訳)」を参考に執筆された作品だ。また同人誌「グロテスク怪奇」を雑誌内雑誌として収録。そのほか若手フォークシンガー・伊藤尚毅の特集も組んでおり、デモテープを録音したCD-Rも付属している。

16号は「特集 私漫画」を銘打ち、小黒小豆、亜蘭トーチカ、箕芳、三谷めめ子、嘉江など20代の若手作家による作品を多数ラインナップ。評論コーナーには可児洋介「『ねじ式』神話の成立―つげ義春のマーケティング戦略―」、内島すみれ「安部慎一の平面性と可能性」、川勝「畳の目から『私漫画』を考える。~1970年前後の『ガロ』の技法~」「房のの友久作品のこと」という、月刊漫画ガロ(青林堂)に関する表現を検証する文章が掲載された。

架空15号

マンガ

勝見華子「僕とギターとあの娘」
豊田徹也「救う命は自分のかもしれない」(原作:フラナリー・オコナー)
まどの一哉「床屋」
岡村香穂「春だったね」
松山明子「かも」
太田基之「通学路」
川勝徳重「不憫な奴」
斎藤潤一郎「Deadly Weapons」
木下竜一「グロック18C」
山田英子「草の仮面」

評論

石丸まく人「伊藤尚毅 讃」
レインボー祐太「ジャズ史の闇に消えた超低俗トランペッター JATPとアル・キリアン」「『レイダース失われたゾンビ』誕生物語」
深野五十吉「デヴィッド・ストーン・マーチンについて」

付録

伊藤尚毅「デモテープ」

架空16号

マンガ

小黒小豆「東京犬聞録」
亜蘭トーチカ「川へ行く」
箕芳「藻と貝」
三谷めめ子「春の天気は不安定」「ひこうき雲で腹十二分目」
勝見華子「一応、青空」
木下竜一「音信不通」
房のの友久「何かと無常」
川勝徳重「蝦蟇」「龍神抄」
嘉江「強盗計画」

評論

可児洋介「『ねじ式』神話の成立―つげ義春のマーケティング戦略―」
内島すみれ「安部慎一の平面性と可能性」
川勝徳重「畳の目から『私漫画』を考える。~1970年前後の『ガロ』の技法~」「房のの友久作品のこと」