多田由美と絵津鼓が映画「大いなる自由」に描き下ろし、積み重ねた時間と親密さ描く

多田由美のイラスト。

多田由美絵津鼓が、7月7日に公開される映画「大いなる自由」のイラストを描き下ろした。

「大いなる自由」は、戦後のドイツの男性同性愛を禁ずる刑法175条のもと、繰り返し投獄されながらも「愛する自由」を求め続けた主人公ハンスの20余年にもわたる人生を描いた物語。2022年のアカデミー賞国際長編映画賞オーストリア代表作品に選出された。

多田と絵津鼓が描いたのは、映画で描かれる3つの時代の最後となる1968年のシーン。主人公のハンスと、当初はハンスを嫌悪していた同房の服役囚・ヴィクトールの関係は、20年以上の時間を経て変化していく。そんなお互いが抱く信頼感や親密さを感じさせる場面が描き下ろされた。

多田はハンスがある理由で衰弱したヴィクトールを介抱するシーンを描き、「深く沈んだ悲しみで綴られたこの映画には愛することを求め続ける人間の生き方が描かれている。愛は長さじゃなく深さだ、と子供の頃何かの作品で読んだ。でも私は、愛とは共に積み重ねた時間の長さに他ならないと信じている」コメント。絵津鼓は刑務所の娯楽室のテレビでアポロの月面着陸を観る2人を描き、「移り変わる時代と、誰かとの関わり。純粋な子供のようなハンスの、垂れた頭を撫でたくなる。儚く見えて力強い愛に満ちた生き様と、ラストシーンを反芻しながら、同じものを見ているふたりを描きました」と語っている。

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