「劇場版 PSYCHO-PASS」最後のシーンに花澤香菜「彼女の肩の荷が下りた」
「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」の公開記念舞台挨拶が、本日5月13日に東京・TOHOシネマズ 日比谷で開催された。
オリジナルアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの最新作として、昨日全国で封切られた「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」。上映後に行われた舞台挨拶には、常守朱役の花澤香菜、狡噛慎也役の関智一、宜野座伸元役の野島健児、霜月美佳役の佐倉綾音、雑賀譲二役の山路和弘、塩谷直義監督が登壇した。昨日夜遅くの上映回に足を運んだという花澤は、「エンドロールが流れた後、声を発さずとも『面白かった、でもしんどい』って、皆さんから伝わってくるものがありました。あと近くで観ていた女性がもう1人の女性に『で、どこまでわかった?』と話していて、その会話に入りたくなりました(笑)」と、笑顔で話した。関は開口一番、盛大なネタバレを口にし、会場の笑いを誘い、塩谷監督は、今の気持ちについて「自信はあります。ここからだなと」と答えた。
映画の感想について聞かれた花澤は、「今回は朱ちゃんの物語だと監督から宣言されていたので……。最後の最後のシーンで彼女の肩の荷が下りたというか、素直な気持ちが出てきたところを演じられてすごくよかったです」としみじみコメント。そのシーンについて塩谷監督からは「彼女は泣きたくて泣いているわけじゃないからね」と言われ、それを手がかりに演じたことを打ち明ける。頷きながら聞いていた監督は「絵コンテのときに、彼女はスーパーマンでもスーパーヒーローでもなんでもない、普通の女の子ですと言って、作画をしてもらいました」と制作当時の裏話に触れた。
関は、狡噛が劇中の銃・ドミネーターを持って戦う場面を挙げ、「狡噛は1期のときにドミネーターを持って以来、ずっと握ることなくやってきまして。でも今回10年経って、やっと朱ちゃんのもとで再び手にすることになって、BGMも1期のときによくかかっていた曲が流れて。いざ!と構えた途端に撃ち落されるという」と言い、再び笑いを誘う。野島は「僕はやっぱり義手が役に立ってよかったなと。生身の腕だったら生きてませんから。何回もあれに救われて。便利グッズとして未来に出てきそうですよね」と回答。佐倉は「朱ちゃんを見てるとしんどくて。おじさんたちは朱ちゃんに期待し過ぎですし。先ほど彼女は普通の女の子だというお話がありましたけど、シリーズが進んでいくごとにどんどん超越した存在みたいになっていってしまうじゃないですか。でも映画を観て、本当はこうだったなって。考えるだけで涙が出てきました」と述べる。山路は「(朱を演じる花澤に)初めて接したときは本当に何も知らないお嬢さんという感じだったのに、よその現場で会ったら、朱とは全然違うすごくしっかりした女の子の役をやっている。この子は本当にうまい子なんだなってつくづく思ったんですよね。泣くシーンではこちらが泣かされて、タオル1枚ダメにしちゃいました。それくらい花澤香菜にはやられました」と、花澤の演技を絶賛した。
最後の挨拶で花澤は「1回目に観たときは、10年間、朱ちゃんを演じてきた道のりを思い出して胸がいっぱいになってしまったんですけど、2回目に観たときはいろいろ楽しめました。須郷さんのシーンでは『いけいけ!』ってなりましたし、狡噛さんと雑賀教授のシーンでは、おじさまのよさというか、雑賀教授の眼鏡を押し上げるしぐさ1つとっても、よかったです。狡噛さんも椅子にもたれながらブランデーのグラスを何度も回して。あそこもカッコよかったです」と、興奮気味に語りかける。そこで「あそこは何回もやり直したんですよ、あのシーンは苦労しました」と、あたかも自身が狡噛として劇中に登場していたかのように振る舞う関。さらに花澤は「それまで狡噛に対してプンプンしていたが宜野座が、ソッポを向きながらも話を聞こうとするところもよかったです。 何回も味わって観てほしいと思います。(EGOISTさんが歌う)エンディングテーマの『当事者』の歌詞が、聴けばきくほど染みてくるので、本当に最後まで細かく観ていただければ」とアピールした。
塩谷監督はエンドロールに込めた思いを語ったのち、「この映画では常守朱や狡噛たち、みんながみんな思いをもって、己の意思で戦って生きています。エンディングテーマのタイトルである『当事者』は、朱の思いを込めて作っていただいております。朱やみんなの思いを受け取った皆さんは、それぞれが当事者になったんだという思いで、生きていってもらえたら。一緒にがんばっていきましょう」と語り、イベントは締めくくられた。
「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」
全国公開中
スタッフ
監督:塩谷直義
構成:冲方丁
脚本:深見真、冲方丁
キャラクター原案:天野明
キャラクターデザイン・総作画監督:恩田尚之
色彩設計:鈴木麻希子
美術監督:草森秀一
3DCGI:GEMBA
撮影監督:荒井栄児
編集:村上義典
ベースド・ストーリー原案:虚淵玄
音楽:菅野祐悟
音響監督:岩浪美和
アニメーション制作:Production I.G
製作:サイコパス製作委員会
配給:東宝映像事業部
キャスト
常守朱:花澤香菜
狡噛慎也:関智一
宜野座伸元:野島健児
六合塚弥生:伊藤静
唐之杜志恩:沢城みゆき
霜月美佳:佐倉綾音
雛河翔:櫻井孝宏
須郷徹平:東地宏樹
花城フレデリカ:本田貴子
雑賀譲二:山路和弘
ドミネーター:日高のり子
慎導灼:梶裕貴
炯・ミハイル・イグナトフ:中村悠一
舞子・マイヤ・ストロンスカヤ:清水理沙
甲斐・ミハイロフ:加瀬康之
慎導篤志:菅生隆之
砺波告善:大塚明夫
(c)サイコパス製作委員会